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三谷流構造的やわらか発想法

特別講「なでしこジャパン」から学ぶこと

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第13講】 2011年7月26日
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どれくらいの「大逆転」だったのか ~体格差

 なでしこジャパンは2011年7月18日(現地は17日)、ワールドカップ優勝という歴史的快挙を成し遂げました。特に決勝での大逆転勝利は、いみじくも試合後に川澄選手が「こんな勝ち方、マンガか映画でしかあり得ない」と言ったほど劇的なものでした。

 その勝利をひたすら賞賛するのも良いでしょう。でも折角なので「発想」という観点から見てみたいと思います。

 企業事例分析風に言えば「大逆転の成功メカニズム分析」でしょうか。

 こういうときまず冷静に見つめなくてはいけないのは、「それは本当に成功か」「どの程度の成功か」ということです。サッカーの素人である私には、そもそも今回はここで、大きな発見がありました。それは、日本と強豪国との間に

・プレーヤーの大きな体格差がある

・女子サッカーの規模や支援態勢に大きな差がある

 ということであり、その中での、とても大きな成功、大逆転であったということです。

 女子サッカーの強豪国は、男子と違って米国、カナダ、スウェーデンなどがFIFAランキングの上位を占め、ラテン系のスペインは18位(男子1位)、イタリアは11位(同10位)に過ぎません(2011年7月26日現在)。

 日本チームの平均身長は163cm程度で、米国チームとは平均で6cm、10kg以上の体格差がありました。スウェーデンチームとは10cm以上の差です。米国チームの主力であるFWアビー・ワンバック選手は181cm、77kgでしたが、それをカバーしたDF近賀ゆかり選手は161cm、53kg、なのです。20cm、24kgの差です。

 男子ではもうこんな体格差は存在しません。日本代表チームの平均身長は179cmに達し、スペインとは2cm差に過ぎません。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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