頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

仕事ができない人は「どう思いますか?」と聞く。仕事ができる人はどう聞いている?Photo: Adobe Stock

「どう思いますか?」の前に聞くべきこと

盛り上がる会議の進め方について解説いたします。

私が最も得意としているのが、実は会議のファシリテーションです。

では、「盛り上がる会議」とは一体何かと言いますと、それは参加者の発言が活発に行われる会議のことを指します。

日常的に会議を開催している方も多いと思いますが、「会議になるとシーンと静まり返ってしまう」と感じている方も多いのではないでしょうか。

では、どうすれば参加者が自発的に発言し、積極的に関与するような会議を実現できるのでしょうか。

ここにはいくつかのポイントがあります。

そのひとつが「質問の投げかけ方」です。

実は、この問いかけ方ひとつで会議の雰囲気は大きく変わってしまいます。

例えば、上司であるあなたが会議を主導しており、部下たちが参加しているとします。

そのような場面で「この新規事業案について皆さんはどう思いますか?」という問いかけをしてしまうのは、実は避けた方が良いのです。

なぜなら、「こうですね」と即答できる人はなかなかいませんし、多くの人は大勢の前で発言することに対して「恥ずかしい」「間違えたらどうしよう」と不安を感じてしまいます。

そうした心理的なハードルを乗り越えるために有効なのが、「クローズドクエスチョン」を活用する方法です。

クローズドクエスチョンとは、「イエス」か「ノー」で答えられる問いのことです。

たとえば、「この新規事業はお客様に受け入れられそうですか?」という問いに対して、「はい、受け入れられそうです」と答える。

「佐藤さんは来期からこの事業に取り組みたいと思いますか?」という問いに対しても、「はい、取り組んでみたいです」と返答できます。

このように、イエス・ノーで答えられる質問は、参加者にとって発言しやすいのです。

この形式の質問を3回ほど繰り返した後に、「では実際にどう進めていけば良いでしょうか?」といったオープンクエスチョンを投げかけると、すでに参加者はある程度発言しているため、「いいと思います」「そうですね」「それは違うと思います」と、自然と意見を述べられるようになります。

こうすることで、参加者の心理的安全性が高まり、「自分もこの会議に参加しても大丈夫だ」というマインドセットが形成されます。

そこから初めて、本質的な議論――「どうすればいいと思う?」「こうしたらどうですか?」といった対話が可能になるのです。

これは私が実際に実践している方法で、発言がなかなか出ない会議では、まずイエス・ノーで答えられる質問を3回繰り返し、その後で「どうですか?」「なぜですか?」「どのようにやりますか?」といった質問を投げかけていきます。

こうすることで、参加者の発言が自然と増え、会議全体が活性化するのです。

ぜひ、皆さんもこの方法を取り入れて、盛り上がる会議づくりに取り組んでみてください。

(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)