洋館が立ち並ぶ元町のエリスマン邸

観光スポットが集中する
中区を頂点としたヒエラルキー

 横浜ヒエラルキーのトップに君臨する中区に住む人は、どんなプライドを持っているのか。中区でも「別格」とされるのが高級住宅街・山手だ。山手のカトリック教会の幼稚園に通っていたという40代の女性が話す。

「父もハマっ子で、両親の結婚式は、ホテルニューグランド(※昭和2年創業のクラシックホテル。横浜の歴史を伝えるシンボルと言われる)でした。当時はデイリークイーンというソフトクリーム屋さんとか、ジャーマンベーカリーというパン屋さんがありました。幼稚園の帰りにユニオン(高級スーパー)でかわいいお菓子を買ってもらって嬉しかったのを覚えています」

 異文化と歴史が残る元町の雰囲気が好きで、記憶に残っているという。一方で、当時の横浜の雰囲気が今は消えつつある、とも指摘する。

「今の横浜は、観光地部分が異様に発達してどこかアンバランスな感じがします。置いてきぼりになったところに、目が向けられていない。ニューヨークではなくアラバマやオクラホマにアメリカの本質があるように、瀬谷区とかに横浜の本質があるのかも」

 神奈川県中央部の緑が多い住宅地・瀬谷区に横浜の本質…?県外出身者にはよく分からないが、「本質」という言葉を使うほど地元のイメージに対して強い思いがあるように筆者は感じた。