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東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

大田区――面積は最大でも、避難場所の適地が少ない土地柄に必要な「防災意識」

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第3回】 2011年8月3日
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 大地震が起きたとき、どこに避難するか。家族再集結の場ともなる避難先をしっかり確認し合っておくことは、わが家の防災計画の第1条だ。

 避難先には、「広域避難場所」と「避難所」がある。広域避難場所は、大火災から身を守る場所で、大きな公園などが指定される。避難所は、家を失った人や、家にいると危険な場合に身を寄せるところ。小中学校等が指定されることが多い。

 指定場所は、おおむね5年ごとに見直されている。ホームページなどで、念のための再確認をお勧めする。

面積が最大で避難所の適地が少ない大田区
道路条件が悪く、避難所までの距離も遠い?

 公園やグランド、農地、林、原っぱ、まとまった空き地。こうした都市のオープンスペースの割合は、面積が広く土地利用にゆとりのある区では高くなり、逆に人口密度が高く建物が建て込んでいる区では低くなる傾向がある。

 面積最大、人口密度20位の大田区は、オープンスペースの割合が多くなりそうだが、実態は23区の下から5番目に止まる。このため、広域避難場所の適地が少ない。実際、大田区内の11の広域避難場所は、4ヵ所が多摩川沿い、4ヵ所がベイエリア、1ヵ所は目黒区との区境と、その多くが区の縁辺部に偏っている。

 となると、避難距離はどうしても長くなる。加えて、大田区は道路率が23区で一番低い。道路条件が悪いと、広域避難場所までの道のりはさらに長くなる。

 23区の広域避難場所は、過去35年間に120ヵ所から189ヵ所に増加した。これに伴い、かつて300kmを超えていた避難道路の指定は、現在20系統、78kmに縮小している。

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池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

東日本大震災を機に、自分が住む地域の安全性を気にする人が急増している。世間一般に「安全」と言われている街でも、そうとは限らない場合があるし、「リスクが高い」と言われていても、本当は災害への耐久力が強い街もある。実際のところ、あなたが住む街の安心・安全度はどうなっているのか。この連載では、地震、犯罪、火事、交通事故といった現代社会の4大災難を中心に、東京23区の「防災力」をあらゆる角度から分析する。豊富なデータを基に、「安心・安全な街」の条件を考えてみよう。

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