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日立製作所・三菱重工経営統合!?
夢に終わるか、夢の会社が実現するか
両社に課せられた日本製造業復活への道

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
2011年8月5日
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 日立製作所と三菱重工業が、経営統合に向けて協議を開始するというビッグニュースが流れた。現時点では、統合の形態ばかりでなく統合自体の成否も含めて、その行方は定まっていない。

 しかし、両社の経営統合が実現すれば、日本の製造業にとって、画期的な出来事になることは間違いない。経営戦略に詳しい早稲田大学ビジネススクールの遠藤功教授は「重工、重電という業種や企業グループを越えた統合で、インパクトがある。いわばオールジャパン的な重電・重工メーカーの誕生で、総合力も生きる」と、ポジティブに評価する。

 確かに、両社の統合は、大変に魅力的なものだ。もし両社が統合すれば、単純合算ながら、売上は12兆円強、営業利益5500億円の巨大企業が生まれる。売上では業界で世界トップの米ゼネラル・エレクトリック(GE)の1502億ドルにも匹敵する。しかも、ICT技術、エネルギー機器、産業機械、航空、鉄道、自動車機器などを有する、世界でも例を見ない重電・重機械分野のコングロマリットとなる。

潜在的な能力は
大きく高まる可能性

 統合の狙いは、グローバル展開の強化、シェアアップ、人的資源の有効活用、シナジー効果、そしてリスク対応力の強化だろう。両社の潜在能力を考えると、M&Aの典型的なメリットを発揮できる可能性がある。

 ここへきて日米欧の先進国経済は再び動揺の色を濃くしている一方、新興国の台頭は2008年のリーマンショック後に比べても、一段と明確になってきた。これに東日本大震災による福島第一原発事故が加わった。我が国はエネルギー政策の混迷で、国内での原子力発電の新設は困難な状況になった。経営環境は、一層、不透明、不安になりつつある。その意味では、事業の重複分野がそれほど大きくない両社の組み合わせは、事業分野の幅を広げリスク対応力を高める。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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