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CAPS治療薬が年内にも
バイオ創薬が救う小さな命
遺伝子組み換え製剤─カナキヌマブ

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第57回】

 今年1月、国内でわずか30人ほどしか確認されていない稀少難病、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)の治療薬「カナキヌマブ」の承認申請が提出された。オーファンドラッグ(患者数が5万人以下で開発の採算が合わないとされる稀少疾病用医薬品:OD)指定されていることもあり、年内のスピード承認が望まれる。

 CAPSは身体の炎症反応に関係するインターロイキン1β(IL-1β)という物質が過剰に生産されることで、全身に慢性的な炎症が生じる病気。生まれてすぐ、あるいは幼児期から発症し、40度以上の発熱や激しい関節の痛みと腫れ、発疹に繰り返し襲われる。重症例では視聴覚障害や関節の変形のほか、神経系の炎症から生命を脅かす恐れもある疾患だ。

 かつて開発コストに見合わず、医薬品産業界の片隅に追いやられた世界の難病患者・家族の希望の灯となったのは、1980年代に興隆し始めたバイオ創薬だった。特に米国ではODに対する税制優遇、市場独占権など支援策が充実しているため、資金不足のバイオベンチャーがこぞってOD創薬に取り組んだ。その結果、ODとして承認された後に患者数が多い疾患へと適応を広げ、莫大な利益を上げた薬も少なくない。そのためか最近はメガファーマの参入が目立つ。カナキヌマブも欧州で痛風関節炎の適応を申請したほか若年性特発性関節炎や2型糖尿病の治療薬として開発が進められている。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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