ヤクルトは絶不調なのに神宮球場の観客動員伸び率は1位の謎

 セ・リーグは東京ヤクルトが極度の不振に喘いでいる。

 6月には巨人が球団ワーストとなる13連敗を喫したことが話題になったが、7月に入るとヤクルトがまったく勝てなくなり、それを超える14連敗を記録(球団ワーストは1970年の16連敗)。5月から6月にかけて10連敗をしていることもあって、7月24日現在、88戦29勝57敗2分の・勝率3割3分7厘で、ダントツの最下位だ。

同情すべき点も…
負のスパイラルに陥ったヤクルト

 同情すべき点もある。主力の多くが故障で戦線を離脱しているのだ。野手ではキャンプ時に川端慎吾が椎間板ヘルニアと診断され、まだ1軍出場はない。シーズンが始まると、すぐに畠山和洋と新外国人のグリーンが肉離れで、6月にはバレンティン、中村悠平も足の故障で登録抹消(現在は復帰)。それらの穴を埋めようと奮闘していた雄平も6月末に右手首を骨折し長期離脱することになってしまった。2年連続でトリプルスリーを記録した山田哲人は出場しているが、チームの低迷を主軸である自分がなんとかしなければという意識が強過ぎるのか、打率2割2分台と本来の打撃ができないでいる。

 投手陣も5月に小川泰弘、山中浩史と先発ローテーションに入っていた2人が故障でリタイヤ。6月末にはWBCで好投を見せたクローザー、秋吉亮が右肩肉離れで長期離脱が決定的になった。先発が少なくなれば実績のない若手を起用せざるを得なくなるし、石川雅規らベテランの負担も増える。投手陣は試合を作れず、打線に反撃する迫力はない。リードしている試合でも、安定感のある抑えが不在のため終盤を持ちこたえられないという悪循環に陥っている。

 ヤクルトは2年前の2015年にセ・リーグを制しているように力はあるチームだが、これだけ故障者が続出すれば、勝てないのも無理はない。