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小学校の学級委員選挙以下
国民へのアピールの場を自ら封じる
民主党・代表選挙の愚

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
2011年8月26日
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 民主党の代表選は、小学校の学級委員の選挙以下と言っては言い過ぎだろうか。当然ながら、与党・民主党の代表選挙は、この国の総理を選ぶ選挙とほぼイコールである。それが27日告示、29日選挙では、まともな論戦を戦わせる時間もない。これまで震災対応では、菅総理の不信任案騒動などで、散々、時間を浪費しておきながら、最も重要な後継者選びに、1週間の時間も割けないというのでは、拙速のそしりを免れない。

 今の日本の制度では、国民が直接、総理を選ぶことができない。ここではその制度自体の問題を脇に置いたとしても、国民が直接選べないからこそ、民主党は国民に対して、代表選の候補者がどのような国づくりを目指し、どのような政策と実現の道筋を描いているのかを、オープンにする機会と場を設けるべきだ。代表選びのプロセスも含めて、どのような政策を掲げる人物が代表に選ばれるかが、民主党に対する評価にもつながるからである。

 09年の9月に政権に就いてから2年、相次ぐ失策によって、民主党はすっかり国民の信頼を失ってしまった。とはいえ、代表選は一国の総理を選ぶことにつながる選挙であるがゆえに、マスコミの関心も高いし、国民の注目を集める絶好の機会でもある。にもかかわらず、いまの民主党の対応は、代表選にはあまり関心を払わないで欲しいと言わんばかりの内向きの行動である。

結局は政策本位より
小沢グループの支持獲得合戦

 民主党が信認を失った第1の要因は、党の体をなしていないことにある。代表を頂点とする党執行部が、政策においても行動においても、党を一つにまとめきれない統治能力の欠如にある。かといって、政権にしがみつき党を割るだけの度胸も決断力もない。

 党内の対立点は常に、国民との約束であるマニフェストを守るかどうかが大義として掲げられているが、根底にあるのは、脱(反)小沢か親小沢かという数の論理であり、権力奪取が目的の権力闘争である。今回の代表選も、結局のところ、代表候補を立てない小沢グループを味方につけることができるかどうかに焦点が絞られつつあるし、大マスコミもその帰趨ばかりを報道する。つまり、小沢グループがキャスティングボートを握ったわけだ。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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