「今、なんと言った(怒)!旅行に行けない子どもたちもたくさんいるんだ!」…筆者は幼少の頃、父親から強烈な平手打ちを食らいました。ここフランスで夏を迎えるたびに思い起こします(詳細は後述)。この時期、多くの人々が、日常を逃れようと、海、山、田舎、国外へ出かける一方で、国民の4割がバカンスに出ない…こうした皆が長く休むが故の社会問題「バカンス格差」に思いを巡らさざるをえないからです。(Nagata Global Partners代表パートナー、パリ第9大学非常勤講師 永田公彦)

確かに欧州の中でも最もバカンス好きが多い

 バカンス大国のイメージがあるフランスです。しかし果たして、他の欧州諸国と比べ、この国には、バカンス好きが多いのでしょうか。

 前回のコラムでもお伝えしましたが、バカンスは、4泊以上の期間を自宅以外の場所で過ごすことです。従って、バカンス人口が増えるには、雇用者の大多数を占めるサラリーマンの年休が何日あり、どれだけ使えるかが大きく影響します。

 この点を、エクスペディア社が毎年実施する「有給休暇の国際比較調査2016年度版」で見ると、確かにフランスが有給日数(法定)30日かつ取得率100%と、フィンランド、スペインと並んで調査対象28ヵ国中トップです(参考までに日本は、日数で韓国に次いで少なく、取得率は韓国より低く最下位)。

 次に、バカンスに出る人の割合と期間です。ヨーロッパアシスタンス社による、この夏のバカンスの予定を尋ねた欧州8ヵ国調査によると、「バカンスに出る予定がある」と答えた人の割合は、フランスが65%と欧州5大国(英、独、西、伊、仏)の中では英国と並びトップです。また期間もフランスが2.35週と、調査対象8ヵ国中で単独トップ(下記図1)、内、4週間以上との回答比率(2016~17年度2ヵ年平均)も、フランスが15%と、最も高くなっています。

 こうしたことから、確かに、フランスは、欧州の中でも特にバカンス好きであると言えるでしょう。

◆図表1.夏のバカンス平均日数(2016~17年度2ヵ年平均、単位:週)