作家であり、金融評論家、社会評論家と多彩な顔を持つ橘玲氏が自身の集大成ともいえる書籍『幸福の「資本」論』を発刊。よく語られるものの、実は非常にあいまいな概念だった「幸福な人生」について、“3つの資本”をキーとして定義づけ、「今の日本でいかに幸福に生きていくか?」を追求していく連載。今回は人生を8つのパターンに分けて、幸せの在り方を考える。

「人生の8つのパターン」とは?

 “プア充”と“最貧困女子”(前回記事参照)は、ともに金融資産と人的資本を(ほとんど)持っていませんが、彼らを分かつものは社会資本でした。

 前回述べたように、ひとは金融資本、人的資本、社会資本を「運用」することで“富”を得ています。金融資産は(不動産を含めた)財産、人的資本は働いてお金を稼ぐ能力、社会資本は家族や友だちのネットワークのことでした。この3つの資本=資産の合計が一定値を超えていれば、ひとは自分を「貧困」とは意識しません。逆にいえば、これらをすべて失った状態が「最貧困」です。

 「プア充」の典型は地方在住の若者(マイルドヤンキー)で、収入は貧困ライン以下で貯金もありませんが、友だちはたくさんいます。

「プア充」の資本

 ところがなにかの理由で「友だちのネットワーク」から排除されてしまうと、3つの資本=資産をまったく持たない「貧困」に陥ってしまいます。

「貧困」の資本

 それに対して、金融資産をほとんど持っていなくても、高収入を得られる職業につき、友だちや恋人のいる若者もいるでしょう。人的資本と社会資本の両方を持つ彼らはリア充と呼ばれます。

「リア充」の資本

 このように整理すると、人生における金融資産、人的資本、社会資本の関係がすっきり理解できます。同じようにほかのパターンも見える化してみましょう。