近年、難関大学に通う女子学生たちが風俗嬢をバイトに選ぶケースが増えているという。奨学金を借りるのはむしろ、Fラン大学の学生たち。かつては、稼ぐ手段を持たない女性たちがなる職業だった風俗嬢を選ぶ、エリート女子大生たちの胸の内を取材した。(フリージャーナリスト 秋山謙一郎)

風俗業界に異変!
高学歴風俗嬢増殖の理由

「本当に賢い子は、他人から教わらなくとも借金の怖さがわかっている。だから、安易に奨学金を借りるようなことはない」――。

風俗嬢に現役難関大生が増加、ある女性が語る「仕事・お金・将来」「違法なことをしているわけではないから、バレても怖くない」と話す一方、撮影したいと話すと、「後ろ姿もNG」。結局、かなりボカした写真ならとOKをもらえた。親にも一切、バイトのことは話していないという

 兵庫県内にある高級ソープランドの男性従業員(黒服)は、ここ数年来、ソープ嬢として働きたいと面接にやってくる女性の属性が大きく変わってきたと話す。

「難関大学に通う女子学生が増えている。彼女たちは、やっぱり賢いだけあって、こちらが教えたことも飲み込みが早い。何より育ちが良くて、礼儀正しい。そこが客にウケている。俺が言うのもなんだけど教育って大事だね…」

 今、ソープランド、ファッションヘルス、イメージクラブなど、その業態問わず、難関大学に通う女子学生が風俗嬢として働くケースが目立ってきたという。黒服氏によると、育ちも頭も良い高学歴嬢が1人でもいると、ほかの女の子たちも触発されるのか、勤務態度が良くなったり、黒服や他の風俗嬢とのケンカも減るから、店全体の雰囲気が明るくなるので、願ったりの人材なのだという。
 
 代わりに見かけなくなったのが、“Fラン”(Fランク)大学と呼ばれる、低偏差値の大学に通う女子学生たちだ。大阪府立高校教諭のひとりは次のように語る。

「奨学金を借りているからでしょう。コンビニやファストフード店といった従来からの定番ともいえる学生バイトで小遣いを稼ぎ、サークルや恋愛といった“学生生活”を楽しむのです。親の勧めで奨学金を借りるのは、ほぼFランクラスの大学に通う子たちです」

 学生生活を謳歌する“Fラン”校の学生に対して、旧帝国大学や、早慶上智、MARCH、関関同立などの難関校に通う学生は、卒業後の進路に向けた準備で忙しい。難関資格や公務員受験、マスコミ対策講座といった「エクステンション」と呼ばれる学外講座に通うので、とても学生生活を楽しむ余裕などないという。

 この学外講座の費用は、地方の4年制大学の学生に人気のある「国家公務員一般職・地方上級公務員」の場合、1年間の通学で概ね40万円から50万円程度といったところだ。

 現在の国立大学の1年分の学費(年額の授業料)は53万5800円。これよりは、やや割安ではあるものの、それでも大学と学外講座合わせて年間100万円の出費となる。私立大学に通う学生なら、その負担額はさらに大きい。