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各競技で存在感を増す女子選手たち
沈滞気味の日本スポーツ界に新風を吹き込めるか

相沢光一 [スポーツライター]
【第168回】 2011年9月13日
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なでしこジャパンが
五輪予選で冴えなかった理由

 なでしこジャパンがロンドン五輪の出場権を獲得した。

 しかし、はつらつとしたプレーを見せて世界一の座についたW杯時とは打って変わって選手の動きは重く、試合内容は決して褒められるものではなかった。

 原因としてあげられるのは、まずコンディションだろう。W杯優勝後、一躍時の人となった選手たちは激戦の疲れを癒す間もなく、連日祝賀イベントや取材をこなした。そしてそのまま五輪アジア最終予選に突入。出場6ヵ国中、チームのコンディションは一番悪かったといっていい。

 加えて気持ちの問題も大きかったはずだ。W杯では挑戦者の立場だった。負けてもともとで、失うものはなにもない。だから思い切ったプレーができた。ところが、アジア予選では逆の追われる立場になった。世界王者なのだから勝って当然という目で見られるうえ相手のマークも厳しくなる。世界一の看板という失ってはならないものを持ってしまったチームは、そのプレッシャーから意識が守りに入った。そうした受け身の精神状態が、体を重くさせ、プレーの委縮を生んだのではないだろうか。

 とはいえ、そんな二重苦の中でも着実に勝ち点を積み重ね、トップの成績でアジア最終予選を通過したのはさすがだ。なでしこジャパンがちょっとやそっとでは揺るがない地力をつけてきたことが分かる。

 そしてその実績は、カテゴリーを越えて日本サッカー界の目標にもなっている。A代表は2014年W杯アジア第3次予選が始まっているし、U-22代表もロンドン五輪アジア最終予選が21日から始まる。どちらの代表もなでしこジャパンのW杯制覇が大きな刺激になっており、自分たちもなでしこに続こうという意気込みで予選に臨んでいる。

 この傾向はサッカー界に限らないだろう。なでしこジャパンの選手たちは厳しい環境にもめげずに実力をつけ、世界の頂点まで上り詰めた。それは同様の環境にある多くのスポーツ選手、とくに女子選手には励みになっているはずだ。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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