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「生き証人」が語る真実の記録と教訓~大震災で「生と死」を見つめて 吉田典史

なぜ全国紙は被災地の“真の姿”を伝えないのか?
毎日新聞が「報道とモラルの壁」に挑み続ける理由

――毎日新聞社 広田勝己・編集編成局次長、早坂文宏・社会部副部長のケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第6回】 2011年9月27日
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 震災を報じる新聞、テレビ、雑誌は、私の印象では3月下旬くらいまで、震災当日の状況や大きな被害がもたらされた理由を分析する報道をしていた。しかし、全国紙の社会面を例にとると、その頃から原発問題に重きが置かれた内容になっていく。それに伴い、3月11日の出来事を報じる記事が減っていった。

 私は、この報道姿勢に疑問を感じてきた。震災当日に起きた問題は、検証すべきことが多い。「自然災害」でなく、「人災」と思えるような出来事も少なくない。そこで、全国紙の社会面を注意深く比較して読むようにした。

 目に留まった記事が多かったのが、毎日新聞だった。今回は、その紙面の編集責任者である2人に取材を試みることで、「震災の生と死をどのように伝えるべきか」というテーマを軸に、報道のあり方を考えたい。

 本文中に「毎日」「朝日」「産経」「読売」といった記述があるが、字数の制限もあり、それぞれ「新聞」を省略したことをご理解いただきたい。


震災はもう「終わったこと」なのか?
震災当日の状況を追い続ける毎日新聞

毎日新聞で編集編成局次長を務める広田勝己氏(上)と、社会部副部長の早坂文宏氏(下)。彼らは、3月11日に起きたことで伝えきれないことはたくさんあると考え、特集などで震災当日の動きを丹念に検証し続けている。

 「我々も驚いている。社内では、『他紙も3月11日を徹底検証する特集を始めるはずだから、早くスタートしよう』と議論をした。ところが、他紙の多くはそれをしなかった」

 毎日の編集編成局次長の広田勝己氏は、こう話す。

 毎日は、地震発生直後から津波が来るまでの間に起きたこと、そして翌日から現在に至るまでに起きたことについて、精力的に検証する特集を1面や社会面、特集面で行なっている。『検証・大震災』『証言3・11』などである。半年を過ぎた今も、その姿勢に変わりはない。

 しかし、朝日、読売、産経など、他の全国紙では、3月11日の検証を繰り返し行なっているというイメージが薄い。社会面で被災地の報道を続けてはいるが、「特集」という形で継続して震災当日の記事を掲載する機会は、毎日より少なく感じる。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


「生き証人」が語る真実の記録と教訓~大震災で「生と死」を見つめて 吉田典史

震災から5ヵ月以上が経った今、私たちはそろそろ震災がもたらした「生と死の現実」について、真正面から向き合ってみてもよいのではなかろうか。被災者、遺族、検死医、消防団員、教師、看護士――。ジャーナリストとして震災の「生き証人」たちを詳しく取材し続けた筆者が、様々な立場から語られた「真実」を基に、再び訪れるともわからない災害への教訓を綴る。

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