VMwareとAWSが連携することで業務アプリケーションは新時代へ――「VMworld 2017」現地レポートVMwareのPat Gelsinger CEOと、Amazon Web ServicesのAndy Jassy CEOが揃って登壇
Photo by Katsuyuki Ohkawara

 VMware最大のプライベートイベントである「VMworld 2017」が、2017年8月28日~30日(現地時間)の3日間、米ネバダ州ラスベガスのマンダレイベイコンベンションセンターで開催された。

 全世界から2万3000人以上が事前登録を行い、日本からも約300人が参加。会期中には、基調講演をはじめ、500以上のセッションが行われたほか、展示会場には220社以上が出展した。

 昨年から会場をラスベガスに戻し、14回目を迎えた今年のVMworld 2017のテーマは、「I AM(アイアム)」。会場のあちこちに、「I AM A PIONEER」、「I AM AN INNOVETER」、「I AM BUILDING TOMORROW」などのメッセージが、人の写真とともに掲示され、これらを具現化している先進的な顧客にフォーカスする姿勢を強調。それをVMwareが支援するというメッセージにつなげている。日本でも10月31日、11月1日の2日間、東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で、プライベートイベント「vFORUM 2017」を開催するが、ここでも同様のメッセージを前面に打ち出すことになりそうだ。

クラウド業界が激震する
世紀の大提携

VMwareとAWSが連携することで業務アプリケーションは新時代へ――「VMworld 2017」現地レポートVMwareのGelsinger CEO

 今回のVMworld 2017の最大の目玉は、なんといっても、Amazon Web Services(AWS)との協業による「VMware Cloud on AWS」の正式発表だ。

 両社は、2016年10月に戦略的提携を発表して、VMware Cloud on AWSの提供を開始することを明らかにしていたが、初日の基調講演では、VMwareのPat Gelsinger CEOと、Amazon Web ServicesのAndy Jassy CEOが揃って登壇。VMware Cloud on AWSの提供開始を宣言してみせた。会場が最も盛り上がったのはこの瞬間だった。

 VMware Cloud on AWSは、コンピューティング、ストレージ、ネットワーキング、セキュリティを統合したVMware Cloud Foundationを活用し、AWSインフラのベアメタル上で稼働。VMware上で稼働するエンタープライズ向けSoftware-Defined Data Center(SDDC)ソフトウェアを、AWS Cloud上で利用できる。

 まずは、米オレゴンにあるAWSのデータセンターを活用し、米国西部リージョンに限定してサービスを提供。その後、米国東部に展開したあと、来年末までに、日本や中国を含む全世界のAWSのデータセンターでサービスを提供する予定だ。

 VMwareのGelsinger CEOは、「VMware Cloud on AWSによって、VMwareの上で稼働していたエンタープライズアプリケーションを、パブリッククラウドであるAWS上へと移行することができる。つまり、いま使っているアプリケーションを、パブリッククラウドで使えるようにし、さらにオンプレミスとのハイブリッド環境も実現できる。また、未来のアプリケーションも同時に使うことができる。VMware Cloud on AWSは、シームレスな環境が実現でき、CIOが抱える課題を解決できる」と期待する。