ITエンジニア、ゲームクリエイター、
ユーチューバーが憧れの職業に
最近、世に出回る「子どもが将来なりたい職業」についての調査結果には、オトナから見ると結構衝撃的な内容が含まれている。その1つで、ソニー生命保険が今年4月に公開した『中高生が思い描く将来についての意識調査2017』をもとに、「なぜそうなのか」を紐解いてみたい。
調査結果を見ると「女子中学生がなりたい将来の職業」については、私はそれほど違和感を覚えなかった。ベスト3は歌手・俳優・声優などの芸能人、絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)、医師という順で、確かに女子が憧れる職業がそれだと言われると、そうなのかもしれないと思える結果となっている。
一方で、今回話題にしたいのが男子中学生の結果である。調査によれば「男子中学生が将来なりたい職業」のベスト3は、ITエンジニア・プログラマー、ゲームクリエイター、YouTuber(ユーチューバー)などの動画投稿者、である。これは昭和世代の私の目から見れば「え?」である。
昭和時代の定番(?)である野球選手でも、銀行員でも、科学者でもないというのは、まあ時代が違うから仕方ないのかもしれないが、それにしてもユーチューバ―がなぜこのランクに来るのかが、古いオトナには理解しがたいところである。
とはいえ、ユーチューバ―になりたいと答えた男子中学生が「複数回答で3つまで」という条件で「17%もいた」のが事実である以上は、中学生にとってユーチューバ―がそれだけ身近で憧れる職業であることを、まず認識したいと思う。
その上で、この結果からわかることについていくつか分析してみたい。
まず気づく点は、ITエンジニア、ゲームクリエイター、ユーチューバーは3つともスマホに関係する職業だという共通点がある。つまり、オトナから見れば疑問符が付くこの選択肢も、中学生から見ればものすごく身近な3つの職業が挙げられた結果だと言える。
2つ目に、にこの3つの職業が、スマホというキーワードの中でも中学生から見れば「儲かる職業」に位置づけられているであろうことに気づかされる。
このソニー生命の調査は「中高生が思い描く将来について」の調査で、なりたい職業以外にも「中学生が将来についてどう考えているか」についての質問も行なっており、興味深い結果が出ている。