朝、スマホのアラームで目を覚まし、そのままメールチェックをして、通勤時間はスマホでニュース、日中もスマホのバイブがなるたびに仕事が中断……毎日にそんな覚えはないだろうか?
ハーバード、スタンフォード、MITなどの膨大な研究成果から、生産性を上げる最良の方法をさまざまに提示して話題となっているベストセラー『SINGLE TASK 一点集中術』では、そんな「スマホ依存」の人たちに大きな警鐘を鳴らしている。では、どうすればいいのか?本書から一部を特別公開する。

その1:朝、スマホの「アラーム」で起きてはいけない

 私たちは、多機能デバイスの世界に暮らしている。とくにスマートフォン――いわば現代版のスイス製アーミーナイフ――には機能が満載されている。1台の電話が、カメラ、目覚まし時計、地図、おまけに懐中電灯の役割まではたすようになると、20年前にだれが想像しただろう?

 複数の道具がはたす機能が、たった1つのデバイスに集約されているのだ。そして、それこそがスマートフォンの利点であることは、世間に広く認められている。そこには欠点などなにひとつないように見える。

 だがこんな光景を思い浮かべてもらいたい。

 多忙をきわめた1日がようやく終わろうとしている。あなたは就寝の準備をととのえている。目を閉じる寸前、あなたは翌朝にそなえ、アラーム時刻をセットしていなかったことを思いだし、スマホを手にとる。すると、思わぬことに3通もメールがたまっていたことがわかる。

 このちょっとした行為が、不眠を招く。

 世界各国の睡眠の専門家は、就寝前には平穏で静かな時間を設け、気持ちよく睡眠へと移行できるようにすべきだと提言している。

 読者のみなさんもこれまでに、本を読んでいたら自然と眠くなり、まどろんでしまった経験がおありだろう。ところがルールを設けることなく、むやみにデバイスを使いつづけていると、心は穏やかになるどころか、どんどんささくれだっていく。

 私は以前、目覚まし時計を使っていた。それも、複数の目覚まし時計を使わなければ、目が覚めなかった。だが、ある時期から、スマホのアラーム機能を使うようになった。なによりありがたかったのは、出張の荷物が減ったことだ! だが、それと同時に、私の1日は「ツイート」「メッセージ」「メール」の猛攻撃で始まるようになった。

 深夜だって油断はできない。うっかり真夜中にスマホのほうをちらりと見てしまい、つい、ストレス満載のメッセージを読んでしまったら?

 ふたたび至福の眠りに落ちるのはまず無理だ。