トヨタが出展したハイブリッドのC-HRのハイパワーモデル。EVの出展は見られなかった Photo by Kenichi Suzuki

9月に開幕したフランクフルトモーターショーは、さながら“EV祭りの様相を呈する中、トヨタ自動車だけがEVコンセプトカーの出展がなく、悪目立ちする格好となった。果たして、トヨタのEV対策は遅れているのか、それともよほど慎重なのか。もし、トヨタが満を持してEVコンセプトカーを出すのなら、地元で「ハレの場」である10月25日開幕の東京モーターショーの可能性が高い。(モータージャーナリスト 鈴木ケンイチ)

フランクフルトショーでは
悪目立ちしてしまったトヨタ

 9月12日に開幕したフランクフルトモーターショー(IAA)2017は、「ドイツはEVで行く!」という決意表明のような内容であった。

 フォルクスワーゲンは、ハッチバックとクロスオーバー、ミニバンの3つのEVコンセプトを並べて「2025年までに約50車種のEV」をリリースするとぶちあげた。メルセデスベンツもスマートのEVコンセプトをもって、EVとライドシェアの未来を提案。アウディはステアリングを持たない完全自動運転のコンセプトカーAICONを出品。もちろん、これもEVだ。そして、すでにi3というEVを販売するBMWは、4ドアのスポーティセダンのコンセプトiビジョンダイナミクスを公開。また2025年までに12モデルのEVを販売するとアナウンスしている。

 ほんの2年前のフランクフルトモーターショーでEV推進派はBMWだけだった。しかし、フォルクスワーゲンの排気ガス不正の発覚から後の、ドイツ勢の変わり身は恐ろしいほど早かったのだ。

 ホンダにも驚かされた。アーバンEVコンセプトという小さなEVを出品。これをベースにした量産モデルは2019年に欧州にデビューするという。ドイツ勢ほどの威勢の良さはないが、時代の空気を読んだ動きを見せてくれたのだ。ちなみに日本のEV推進派である日産&三菱自動車は、今回のフランクフルトモーターショーは不参加。大きな戦略があるのだろうけれど、正直、日本人としては寂しいものがあった。