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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

景気循環と制度で考える日本の財政政策
英国の「黄金律」、財政学者「マスグレイブ」、日本の「財政法第4条」
――森田京平・バークレイズ・キャピタル証券 ディレクター/チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第42回】 2011年10月19日
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実体経済(1)
「大きなV」は終了、2012年1~3月期
に向けて「小さなV」へ

 日本経済は3月の大震災以降、想定以上のスピードで回復してきた。主たる原動力として、民間企業によるサプライチェーンの復旧(=設備投資)と在庫復元(=在庫投資)が挙げられる。

 その結果、震災後から7~9月期にかけての景気はきれいな「大きなV」を描いた。実質GDP成長率(前期比年率)で見ると、日本経済は2011年1~3月期-3.7%、4~6月期-2.1%と大きく落ち込んだ後、7~9月期は+4.6%(当社予想:11月14日内閣府より公表)と大きく反発したと見込まれる。

 しかし、そうした「大きなV」の局面は9月までには終わったようだ。これから1~3月期にかけて日本経済は「小さなV」に向かうであろう。民間主導の復旧が一巡する一方、政府主導の復旧・復興には時期尚早であるため、景気はいったん、復旧需要の「空白期」に入る。これが「小さなV」を形成する。

 実質GDP成長率で見た場合、7~9月期+4.6%となった後、10~12月期+1.6%、2012年1~3月期+2.3%(いずれも当社予想)と窪みを描くこととなろう。

実体経済(2)
2012年4~6月期以降、
日本固有の「再加速」へ

 ただし、この「小さなV」は景気後退に向けた序曲にはならない。むしろ、2012年4~6月期以降、景気は「再加速」に移ろう。しかも、この「再加速」は相当程度、日本固有のサイクルとなりそうだ。主因は、財政政策のサイクルが日本と他国で異なることにある。復旧・復興対策がその背景にあることは、言うまでもない。

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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