その原因について西川社長は、有資格者が検査をしなければならないとの「認識が(現場で)多少薄まっていたのかもしれない」と説明したが、いつごろから見過ごされていたかなどの詳細は明らかになっていない。

 一工場の単純なミスではなく、全工場で発覚したことから長年にわたって慢性的に行われていた可能性もあり、日産は第三者を含む調査チームにより原因究明を急ぐ考えだ。

販売攻勢一転、尻すぼみ

 日産がEV再発進の象徴として大々的に売り出すはずだった新型リーフの販売にも、今回の問題が影響を及ぼすのは必至だ。

 一部は納車が遅れる見通しだが、何よりも消費者の信頼回復や生産現場の混乱を収拾するのに一定の時間を要し、当面は販売の重い足かせとなるに違いない。

 不幸にも西川社長がリコールを発表した10月2日は新型リーフの発売日で、本来ならその日を華々しく迎えるはずだった。

 それが謝罪会見に変わってしまったことは、誰よりも西川社長が悔やんでいるに違いない。6日に予定していた記者向けの試乗会も延期となり、“リーフ祭り”の様相は一気に尻すぼみとなり、自粛ムードになってしまった。

 EV新時代を先駆けるはずだった新型リーフの思いがけぬ失速。最大の敵は、米テスラの「モデル3」でもトヨタ自動車の「プリウスPHV」でもなく、自らのずさんな検査体制にあったといわざるを得ない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 重石岳史)