安倍政権批判ばかりで
経済成長の意識がない野党の選挙公約

衆院選に向けて各党の公約を見比べると、経済成長に関する野党の意識がとても薄いことは明白だ。希望の党が掲げる「ユリノミクス」の混乱ぶりは深刻である

 10月22日の衆院選に向けて、各党の選挙公約が出揃いました。メディアの報道が憲法改正や消費税増税といったわかりやすいイシューに偏ってしまうのはしかたがありませんが、経済政策の方向性という観点から各党の公約を比べると、与野党で明らかな違いがあります。それは、経済成長に関する野党の意識の薄さです。

 経済政策の役目は、ざっくり言って成長と再分配の2つに分かれます。再分配はもちろん大事ですが、その前提として成長を通じて経済のパイを拡大しないと、十分な再分配ができないし、継続的な再分配に不可欠な財政再建にも支障が生じます。

 そして、成長の観点から重要なのは、生産性を高めるのに不可欠な構造改革(規制改革、地方分権、自由貿易)を進める気があるかどうかです。短期的な成長は経済の需要を増やせば実現できますが、今の日本の課題は、人口減少と高齢化が続く中で、内閣府推計で1.0%と低い潜在成長率(=長期的な成長率)をどう高めるかにあるからです。

 もちろん、公約は有権者受けが大事なので、特定の層に痛みを強いる構造改革よりもみんなが喜ぶ耳当たりのいい再分配が強調されがちですが、そればかりを成長や財源の目途もない中で強調しては、無責任のそしりを免れません。

 各党の公約を見比べると、面白いというか情けないのは、自民党だけが成長に資する政策の方向性(生産性向上、人づくり革命、地方創生)を明示しているのに対して、すべての野党の公約からは、成長をマジメに意識したと感じられる政策を見つけられないということです。

 私は、安倍政権の過去5年間の改革に対する取り組みと進捗はあまり評価していませんが、再分配で不可能なバラマキばかりを羅列して、その一方で安倍政権の批判などキャッチーな言葉ばかりを並べる野党の公約を見ていると、政策で野党が自民党に勝てるはずないと思うし、そもそも野党はマジメに政権を奪取して日本経済を正しく再生する気概を持っているとは感じられません。