北朝鮮、貿易問題は
無難にまとめられた

 さらにトランプ大統領は、フィリピンで、13日のASEAN首脳会議、14日の東アジアサミットに出席する。そして、ドゥテルテ大統領とも会談することになっている。

 米国とフィリピンの関係は、ドゥテルテ氏が2016年6月に大統領になると著しく悪化した。まず、ドゥテルテ大統領は、もともと反米である。そして、リベラルなオバマはドゥテルテの過激な「麻薬戦争」(超法規的殺人を伴う)が大嫌いで、彼を嫌悪していた。結果、ドゥテルテは、さらに米国を離れ、中国の方に行ってしまった。 

 しかしトランプは、麻薬戦争を逆に称賛し、米国とフィリピンの関係は改善してきている。トランプは今回のフィリピン訪問で、ドゥテルテを中国から米国の方に引き戻そうとするだろう。

 では、トランプを迎えた日本側の狙いは、何だったのか?以下の3つに集約されるだろう。

(1)北朝鮮問題で、日本と米国の結束を確認すること。
(2)貿易交渉で、ダメージを少なく抑えること。
(3)日米で、中国の勢力拡張を抑える枠組みを作ること。

 実際の結果を見てみよう。
 
 北朝鮮問題に関しては、横田基地を訪問して演説をしたり、北朝鮮による拉致被害者の家族らと面会。サプライズはなかったが、「今までの路線を継続することを再確認した」とまとめることができるだろう。

 2番目の貿易問題も、無難にまとめられた。

 トランプは来日中、「日本との貿易は公正でも開かれてもいない」などと批判。今後、日米で自由貿易協定(FTA)の交渉が始まることになる。FTA締結で、厳しくなる業界も出てくるだろう。とはいえ、日米間に、1990年代のようなトゲトゲしさはない。

 90年代、ビル・クリントン政権は「日本異質論者」を使い、熱心に日本バッシングを行った。しかし今の日本は、90年代とは比較にならないほど弱くなっている。米国の貿易赤字を国別に見ると、2016年中国が3470億ドルでダントツ1位。2位は日本だが、689億ドルと、中国の5分の1に過ぎない。

 確かに、米国とトランプは対日貿易赤字に不満だろうが、日米関係を破壊するほどの大問題ではないのだ。