トランプ来日最大の成果
「インド太平洋戦略」とは何か

 では、3番目の目的、「日米で、中国の勢力拡張を抑える枠組みを作ること」はどうだろうか?

 トランプは、5日の横田基地での演説で、「日本と共に自由で開かれたインド太平洋地域を構築していく」と述べた。そして、安倍総理は6日の共同記者会見で、「自由で開かれたインド太平洋戦略」の実現に向けて日米両国が協力を強化することで一致したことを明らかにした。
 
 ところで、「自由で開かれたインド太平洋戦略」とはなんだろうか?時事通信11月2日付を見てみよう(太字筆者、以下同じ)。

インド太平洋戦略は、首相が2016年8月、ケニアで開かれたアフリカ開発会議(TICAD)の基調演説で初めて打ち出した。成長著しいアジアと潜在力が高いアフリカを「力や威圧と無縁で、自由と法の支配、市場経済を重んじる場」とするため、インフラ整備と安全保障協力をパッケージで推進していく外交方針だ。>

 なぜ、このような戦略が必要なのだろうか?

首相の念頭には、シルクロード経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国がある。中国はパキスタンやスリランカなどインド洋沿岸国で道路や港湾などのインフラ整備を進め、海洋進出の拠点としている。>(同上)

 そう、中国の「一帯一路」に対抗するための戦略が、「インド太平洋戦略」なのだ。

<首相は大統領来日の機会を捉え、地域全体の課題について、米国が積極的に関与する環境を整えたい考えだ。外務省幹部は「米国のプレゼンスを日本も地域も必要としている」と指摘。具体的な連携策として今後、日米豪印4カ国の首脳級による戦略対話の実現などを目指す方針だ。>

 日本の首脳が提唱する戦略に、米国の大統領が同意した。つまり、安倍総理は「インド太平洋戦略」を提案し、トランプを引き入れることに成功したのだ。これまで、このように日本の首脳が戦略的行動に出たことがあっただろうか?