投票権は「共益権」
握手券は「自益権」

 また、株主が保有する権利には「自益権」と「共益権」がある。

 アイドルグループ総選挙の投票権は、いわば株主にとっての議決権にあたる「共益権」だと言えよう。すなわち、取締役の選任や利益処分の方法のように、株主共通の利益に関わることを決定することに対する権利だ。

 ところが、株主にとってのもう一つの権利が「自益権」だ。こちらは個々の株主にとっての利益であり、例えば配当をもらうといったことがこれにあたる。アイドルのCDを手に入れることによる自益権、その一つは間違いなく握手券といえるだろう。

 CDを1枚買うと握手券が1枚入っている。実際には握手券にも様々なバリエーションがあるそうだが、基本的には握手券の枚数によってアイドルと握手できる回数や時間が決まっているらしい。

 基本は1枚につき1回の握手だが、中には3枚までは一度に出すことができ、1回の握手時間の3倍までアイドルの手を握っていられるという方法もあるようだ。まさに株式で言えば、値上がりや配当といった本来の収益期待に加えて、プラスアルファの楽しみがある「株主優待」のようなものだ。恐らくファンにとってはアイドルと握手できるのだから、最高の株主優待に違いない。

 しかも、こうした権利はほとんどの場合、初回限定盤に付く特典である。中には普通のCDショップやamazonなどの通販では買えない「劇場版CD」というのがあって、お目当てのアイドルと握手したいのであれば、これを買うことで特別な握手会に参加することができるそうだ。

 こうした「限定盤」という仕組みは、「希少性原理」といって購買意欲を大きく刺激する。この場合、特別な握手券がつく上に、その権利が初回限定版しかないということであれば、ますます人気が集まることになる。「今買っておかないと手に入らない!」という心理は非常に大きな効果を出すからだ。