10月9日、今年のノーベル経済学賞が発表され、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が受賞した。セイラー教授は買い物やギャンブル、投資といった日常生活における身近な経済行動について心理学を交えて分析する「行動経済学」の権威として知られている。
行動経済学の分野における業績によってノーベル経済学賞を受賞したのは、2002年のダニエル・カーネマン氏が最初であるが、最近では2013年に受賞したイェール大学のロバート・シラー教授も行動経済学者である。
筆者も、この行動経済学には強い興味と関心を持っており、本コラム「自分だけは損したくない人の心理学」も、実は行動経済学のフィルターを通じて様々な投資行動を観察してみようということから始まったものである。
そこで、今回はセイラー教授の受賞によって再び注目を集め始めている「行動経済学」について、できるだけ分かりやすく解説してみよう。