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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

中国がこれから労働力輸入国になる前兆!?
雲南省の国境の町で見た外国人労働者の現場

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第80回】 2011年11月24日
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 9月に、雲南省の省都・昆明市と国境の町・瑞麗市、騰沖県を訪問した。3年ぶりの雲南訪問で、特に瑞麗と騰沖は初めてで、非常にいい収穫を得たと思う。

 まず、昆明で雲南省社会科学院の研究者たちとの座談会に参加した。そのなかで人口移動などの研究をしている女性研究者たちの発言は、なかなか興味深かった。彼女たちの発言は次のようなものだった。

密出国防止から密入国防止へ

 雲南省はミャンマー、ベトナム、ラオスと国境を接し、これらの国々と同じ民族出身の住民も多い。これらの国々に暮らしている親戚や知人も大勢いる。こうした地縁、血縁の関係で、昔から国境を越えた移動が頻繁だった。国民の出国が厳しく規制されていた時代は、人口移動に関する管理においては、雲南省は主に海外での移住や就労を狙った住民の密出国の防止に力を注いできた。しかし、近年はむしろ外国人の雲南省への密入国、非合法就労の防止と摘発に力を入れるようになったという。

 こうした人口移動に見られる一種の逆流現象は、中国の凄まじい経済発展と所得向上によって起こったことだと理解できる。中国国内の男女出生比率のアンバランス問題も、こうした外国人の雲南省への密入国を煽っている。婚姻が絡んでくると、国境の省である雲南省の人口移動問題がさらに複雑さを増してくる。

 外国人の雲南省への密入国や非合法就労は、言い換えれば、中国の労働力不足問題を浮き彫りにしていると理解していい。

中国に出稼ぎに来るミャンマー人

 昆明をあとにした私は、徳宏タイ族チンプオ族自治州に属する国境の町・瑞麗市と保山市に属する騰沖県を訪れた。徳宏がタイ族とチンプオ族が多い自治州であるのに対して、保山は漢民族を中心とした地方都市で、蘭の産地として知られるそうだ。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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