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高橋洋一の俗論を撃つ!

超党派議員が開いたシンポジウムで
鳩山元総理がぶち上げた日銀法改正論

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第27回】 2011年12月1日
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 消費税増税は年内の最大の話題だろう。年内に大綱をとりまとめるか、引き上げ時期・率は明記するかなどで民主党内、与野党間でも熱い議論がありそうだ。

 それに関係するのに、さっぱりマスコミに報道されない重要なこともある。

鳩山、安倍、渡辺が次々と日銀批判

 日銀法改正を目指す超党派議員らによるシンポジウムが24日午後、衆院第1 議員会館で開かれた。鳩山由紀夫元首相(民主党)、安倍晋三元首相(自民党)、渡辺喜美みんなの党代表という豪華メンバーがスピーチした。

 鳩山元首相は「欧州金融危機の余波が米国や中国、日本に及べば、さらなる円高・デフレが加速する可能性がある」とし、財務省は「デフレが続けば有利と思っている気配がある」と指摘し、増税路線を進める同省を批判した。

 また、面白かったのは首相時代のエピソードを披露したことだ。白川方明日銀総裁に対してデフレ脱却のためインフレ目標(ターゲット)導入を求めたが、「首を縦に振ってもらえなかった」と語った。その時、国家戦略大臣もいたことも明らかにし、「誰とかは言わないが」と、暗に菅直人元首相を批判しているようにもみえた。当時、鳩山氏に同調していたのは平野博文官房長官だったと言われる。今後のインフレ目標導入に期待し「日銀法改正もぜひ議論して欲しい」と強調した。

 鳩山氏がインフレ目標に関心があったとは意外だったようだ。この首相時代のエピソードは、民主党内でもはじめて聞いたという人が多かった。スピーチ後、鳩山元首相は会場にいた私を見つけると、声をかけてくれたのにはびっくりした。

 安倍元首相は「『物価の安定』にプラスして、日銀の使命に『雇用の最大化』を入れるべきだ」と主張した。さらに、首相時代に、為替を円安に持っていき、財政のプライマリーバランスの黒字化の一歩手前までいったと、今の野田政権のように円高を放置していることを批判した。

 渡辺代表は、国会の同意を得て、総裁ら日銀首脳を解任できる権限を内閣と財務相に与えるために、日銀法を改正するべきだとし、みんなの党はこれまで何度も日銀法改正案を出していると訴えた。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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