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気づけば“一周遅れのフロントランナー”に!
世界危機で聞こえ始めた「2012年日本再浮上」の福音

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第204回】 2011年12月6日
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世界情勢の不安要素はむしろチャンス
日本復活を裏付ける「3つの福音」

 1990年のバブル崩壊以降、わが国経済は長期低迷の時期を過ごしてきた。その間、物価変動を加味しない名目ベースでの経済成長率は低下し、我々の給与はほとんど上昇していない。

 その時期を、我々は“失われた20年”と称した。多くの日本人が自信を失い“縮み志向”の中で生活してきたとも言える。

 足もとでも、ユーロ圏の信用不安の拡大など暗いニュースが多い。だが私は、そうした経済環境の急激な変化は、日本経済にとって「復活のチャンス」と見るべきと考える。

 主な理由は3つある。1つは、欧米経済の低迷が続きそうなことだ。ヨーロッパや米国の経済は、まだ不動産バブルの後始末=バランスシート調整を完全に終了していない。特に、欧州諸国はこれから財政支出を絞り込む。本格的な景気回復までには、時間を要することだろう。

 2つ目は、今後、世界経済の中心となることが予想されるアジア諸国との親密な関係だ。これから大規模なインフラ投資が見込まれる新興国、特にアジア諸国との関係を生かすことができれば、わが国の持つ高い技術力は大きな武器になるはずだ。

 そして3つ目は、わが国経済が身軽なことだ。1990年初頭、わが国の大規模な資産バブルが崩壊した後、わが国の金融機関は足かけ13年間の歳月をかけて不良債権を処理し、わが国経済はバランスシート調整を終わらせた。

 つまり、わが国経済は、欧米諸国と比較するとバブルの“重荷”をすでに処理し終わり、身軽になっているのである。

 問題は、我々自身が元気になれるか否かだ。わけのわからない政治など置き去りにして、我々自身が前を向いてリスクに立ち向かうことができれば、わが国経済はチャンスを生かすことができるはずだ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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