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東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

世田谷区――狭い道路がアダとなる延焼リスクには、「ミニ防災圏」で対抗!?

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第20回】 2011年12月7日
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 東京都の防災まちづくりの基本方針は、「防災生活圏」の形成。幹線道路などに沿って耐火建物を連ねた「延焼遮断帯」を設け、城壁のように街を囲むという考えだ。難点は時間がかかること。都がこの方針を定めてからすでに30年。それでも、まだまだ道半ばにある。

リッチな街にもあった「震災リスク」
出火危険度は低いが被害が拡大しやすい

 1世帯当たりの住宅の広さ3位、一戸建てに限れば2位、ネット建ぺい率(宅地面積に対する建築面積の割合)は最低。住宅が広く、かつ建物の敷地にゆとりがある世田谷区は、リッチな街だ。こうした街では火事も起きにくい。東京消防庁が予測する震災時の出火危険度は、練馬区に次ぐ低さを誇る。

 普段の火事も、面積当たりの発生件数はやはり練馬区に次いで低い。ところが、火災100件当たりの死傷者数は4位、全焼棟数の割合は3位と、被害のリスクが高くなる。

 不燃化率19位、加えて平均道路幅員19位、幅員5.5m未満の道路延長比率3位と狭い道が多いから、火が回りやすい上に、消防車が来て消火活動が始まるまでに時間がかかる。

 首都直下地震が起きたら、それだけでは済まない。延焼を遮断するものが少なく、火は一気に燃え広がる。想定される焼失棟数は約3万棟、区内の建物の2割近くに及ぶ。心に油断があると、惨事は一層拡大しかねない。

 建物全壊の想定数は4000棟弱。都の予測では、建物倒壊危険度4以上のエリアは存在しない。だが、区が独自に作成した『危険度マップ』を見ると、多摩川沿いなど区の南部には、建物全壊想定比率が10%を超える危険エリアが少なくない。これも油断は厳禁である。

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池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

東日本大震災を機に、自分が住む地域の安全性を気にする人が急増している。世間一般に「安全」と言われている街でも、そうとは限らない場合があるし、「リスクが高い」と言われていても、本当は災害への耐久力が強い街もある。実際のところ、あなたが住む街の安心・安全度はどうなっているのか。この連載では、地震、犯罪、火事、交通事故といった現代社会の4大災難を中心に、東京23区の「防災力」をあらゆる角度から分析する。豊富なデータを基に、「安心・安全な街」の条件を考えてみよう。

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