「いい会社」とは何か?一言で言えば「人をとことん大切にする会社」である。「とことんとは、いつでも・どこでも・誰でもという意味である」。そう断言するのは『日本でいちばん大切にしたい会社』(累計70万部)の著者である法政大学大学院の坂本光司教授だ。約8000社の企業経営を見つめてきた 坂本教授に「いい会社」の条件をあらためて聞いた。その答えは、親世代が「いい会社」を見極めるポイントになるはずだ。

人を大切にする企業こそが
未来をつくる

法政大学大学院 政策創造研究科
坂本光司教授
経営学者。専門は中小企業経営論・地域経済論・福祉産業論。1947年静岡県生まれ。福井県立大学教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、現職。人を大切にする経営学会会長。「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞審査委員長。その他、国・県・市町・産業支援機関などの公職も多数。これまでに約8000社の企業を訪問し、調査を実施。ベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』(あさ出版)をはじめ、近著に『人を大切にする経営学講義』(PHP研究所)など著書多数

 企業経営の目的・使命は、企業を成長発展させること、企業の業績を高めること、さらにはライバル企業に勝利することと捉えている経営者は多い。だがそうした経営の見方や考え方は間違っている、と坂本光司教授は指摘する。

 「それらは企業経営の目的ではなく、経営目的を正しく果たすための手段や結果にすぎません。結果である成長や業績、企業間の勝ち負けを目的化して追求すれば、企業経営がどうなるかは目に見えています。社員や仕入れ先、協力企業など、かけがえのない経営資源をコストや材料と見なし、顧客ですら目的達成のための対象や手段と考えるようになってしまいます。つまり、必ず誰かを不幸にしてしまうのです。では企業の真の目的・使命とは何か。結論を先にいえば、“企業に関係する全ての人々の幸せの追求と実現”です」

「いい会社」とは
人間本位の経営を行っている会社

 企業の最大級のコストは、原材料費と人件費の二つである。業績は「売上高―費用」によって示されるから、業績の追求は、売上高を増加させること、費用を下げることの二つしかない。売上高を増加させるのは容易なことではないから、営業や販売を担当する社員に過大なノルマを課すことになり、結果的に社員は心身共に疲弊してしまう。

 一方、売上高の増加が見込めない場合は、費用の削減に注力することになる。具体的には、本来なら正社員の仕事を非正規社員にやらせたり、3人でやるべき仕事を2人でさせる。あるいは長時間の残業を強い、仕入れ先や協力企業に対しては一方的なコストダウン等理不尽な取引を強要する。

 「そんなことをされたら、社員はもとより仕入先や協力企業のモチベーションは下がり、企業の業績が下がってしまうのは当然です。そのような、人を大切にしない経営をしていれば、必然的に誠実な社員は離職し、事業活動はストップしてしまいます」
 坂本教授によれば、「いい会社」とは人間本位の経営を行っている会社であり、企業経営の目的を“全ての人々を幸せにする”ことに置き、それを実践している会社である。

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