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金融市場異論百出

市場予想を上回った介入規模
「覆面介入」に求められる大義

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年12月14日
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 財務省は11月末、10月28日~11月28日の外為市場介入の合計額を発表した。おおかたの市場予想を上回る9兆0916億円だった。

 日々の実施額は四半期ごとの公表(次回は年末)を待たなければならないが、日銀の日々の日銀保有国債残高の変化を追うと、ほぼ推測できる。政府が円売り介入を行うときは、その資金を調達するために、日銀に政府短期証券を引き受けさせるからである。

 介入実施額は、10月31日が8兆0700億円、11月1日が2800億円、2日が4300億円、4日が3100億円だろう。3日は祝日だが、その日の海外時間に介入していたなら、その金額は4日の数字に含まれる。

 75円割れを阻止すべく、野田佳彦首相は10月31日、その日の巨額介入をアピールしたが、11月1~4日の計1兆0200億円の介入は、実施を明らかにしない「覆面」介入だった。10月31日のような“バズーカ砲”介入を連日行うことは、他のG7諸国は許さない。中規模でも市場に警戒感を与えられるように、覆面にして効果を高めようとしたのだろう。

 日本の外為特別会計は、従来、介入で入手したドルの多くを米国債に投資してきた。外貨準備における外国証券投資は11月に637億ドル増えている。預金でプールしたドル資金がまだあるので、それらも順次、米国債へ投資されるだろう。その点では、米財務省で国債発行を管理している局は、日本の介入はまんざらでもないと見ているかもしれない。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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