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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

2012年に入っても内憂外患は続く
日本はまず「普通の経済」になろう
――森田京平・バークレイズ・キャピタル証券 チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第48回】 2011年12月21日
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イベントリスクに振り回された2011年

 2011年は、多くのイベントリスクに振り回された1年として終わろうとしている。振り返ると、2011年が明けて2月頃にかけては、各種経済指標が景気の再加速を示唆し始めた。筆者は「景気の2番底回避」をメインシナリオとしていたことから、一安心した記憶がある。

 しかし、3月11日に東日本大震災が起き、事態は一変した。加えて、すでに市場が意識していたギリシャの財政不安が、ポルトガル、スペイン、イタリアにも波及。同時に、貸し手である銀行の健全性に対する疑念も強まった。

 こうしてギリシャの財政問題は、2011年に欧州の財政・金融問題へと「格上げ」された。さらに、大洪水の発生により、タイの鉱工業生産は10月に前月比▲35%と急落した。これがグローバルなサプライチェーンを経て、他国の生産活動の足も引っ張った。

 もうないであろうと高をくくっていたら、足元をすくわれた。北朝鮮の金正日総書記が12月17日に死去したとの公式報道が、同19日に流れた。為替市場が有事のドル買いに動く中、韓国では通貨(韓国ウォン)・株・債券が売られるトリプル安が見られた。

 アジアとの経済的なつながりが深まる中、日本経済への波及を不安視する見方もある。日本にとってはまさに「内憂外患」の1年であった。

2012年もイベントリスクに注意

 2012年もイベントリスクに事欠かない年となりそうだ。日本の主なイベントとしては以下が挙げられる。

 ・1月中旬…通常国会召集(⇒2012年度本予算の年度内成立は可能か?)

 ・3月…野田政権が消費増税準備法案を国会提出(⇒政治が政策から政局に向かうリスク)

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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