一方で、筆者が注目した囲碁AIは、初参加で3位に入賞し、新人賞を獲得した中国の新星、Tianrangだ。なぜ注目したかというと、独特な手で異彩を放ち、そしてその手がアルファ碁ゼロとよく似ていたからだ。

 Tianrangの独特の手を理解するために、まずは、囲碁の基本戦略を簡単に説明することにしよう。図1を見てほしい。

図1 陣地の取り方の取り方と効率

黒石で囲んだ陣地の大きさ(▲の数)は中央でも隅でも16目で同じだ。しかし、陣地を取るために必要な黒石(■の数)は、隅は8手だが中央は倍の16手かかる。隅の方が陣地を取るために効率が良いのだ。