インターネットの情報配信の約3割を担う米ネット配信インフラ大手アカマイ。トム・レイトンCEO(最高経営責任者)に、知られざる黒子企業の戦略を聞いた。

──アカマイのビジネスモデルを教えてください。

ネットの黒子企業アカマイが注力するビジネス領域とは<br />Photo by Hiroyuki Oya

 われわれの顧客はネット上でサービスを提供する企業です。テレビでは視聴者が同じコンテンツを同時に見るので情報配信が簡単でしたが、ネットでは買い物したり、動画を視聴したりと、ユーザーは皆違うことをしています。個々人のニーズに合わせ、欲しい物を欲しいときに提供することは、うんと難しいのです。われわれは迅速かつ高品質で安全な情報配信サービスを提供しています。

──どうやってサービスを実現しているのですか。

 われわれは世界の主要都市付近を中心に約24万台のサーバーを保有しており、コンテンツを分散して保存することができます。そのため利用者は遠くのサーバーまで行くことなく、身近なサーバーからコンテンツを取得できます。

 買い物に例えるならば、商品を購入するために製造工場まで行かねばならないとなると時間がかかりますよね。でも、近所の店に商品があれば簡単に手に入る。われわれのサービスは、ネット上のコンテンツをユーザーが迅速に入手することを、身近な場所にデータを置くことで実現しています。

──企業がアカマイのサービスを使うメリットは何ですか。