派遣法改正で雇い止め頻発、弱者保護のつもりが真逆になる悲劇

改正派遣法が5年目を迎え
各地で「雇い止め」が発生

 改正派遣法が施行されて5年を迎える4月を前に、「雇い止め」が随所で行われている。例えば、国立大学でも東京大学が8000人、東北大学が3200人の非常勤職員などを雇い止めする方針だと報じられている。 

 この法律は、本来は「弱者」である有期雇用者を守るために作られたはずなのだが、それが意図とは反対に、有期雇用者の大量解雇といった事態を招いているのだ。

 改正労働契約法は、5年以上の有期雇用契約者が「無期転換」の申し入れをする権利を持つと定めている。つまり、同じ派遣労働者を5年以上雇っていると、労働者からの申し入れがあれば、それ以降は無期雇用契約となるので「気楽に雇い止めをする」ことができなくなる、というわけだ。

 同法は2013年4月に施行されたため、5年が経過する今年4月以降は、労働者からの申し入れが可能となる。その前に、会社側から「雇い止め」が相次いでいるというわけだ。