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金融市場異論百出

フラン高でも好決算を達成した
スイス時計業界のブランド力

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年1月25日
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 「破滅的な通貨の状況による利幅への巨大な圧力があったにもかかわらず、営業利益と純利益は良好な結果となる見通しである」

 これは1月11日に発表された、スイスの時計メーカー、スウォッチの2011年の販売実績の説明文である。同社はスイス・フラン高が業績に与えた悪影響を強調しつつ、昨年の売り上げは過去最高だった10年を11%上回る71億4300万CHF(スイス・フラン。約5800億円)に達したと述べた。

 なぜ「破滅的」なスイス・フラン高でありながら、「過去最高」の売り上げと「良好な」利益を達成できたのか? 最大の理由は、同社が中国の富裕層に対して超高価格の腕時計を大量に販売することに大成功しているからである。スウォッチ自体はご承知のように低価格時計が主力のブランドだ。筆者は腕時計に疎く、恥ずかしながら最近知ったのだが、同社はスイスの老舗時計ブランドを多数買収し、いまや世界最大規模の「高級時計ブランド帝国」を築き上げた。

 中国では近年、スイス製高級腕時計が驚異的なブームになっている。スイス腕時計工業連盟の集計によると、中国(香港と本土の合計)へのスイスの輸出額は、最近は全体の約3割を占める。11年1~11月の中国の輸入額は前年比35%増、09年比99%増だ。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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