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永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

私は日本の将来を憂えていない!日本人には逆境をチャンスに変える知恵がある――元フランス経済・財政・産業大臣クリスチャン・ソテール氏に聞く

永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]
【第5回】 2012年1月25日
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 年明けの13日、元フランス経済・財政・産業大臣のクリスチャン・ソテール氏(現パリ市副市長‐雇用・経済開発・国際関係担当)との面談機会があり、「ポスト3.11の日本」と「国際都市の競争力強化」について、考えを伺いました。「社会と経済と文化」「歴史と未来」「ハードとソフトパワー」などバランスのとれた大局的な見地から、多くの専門家の見解とは一味違う答えが返ってきましたのでご紹介します(なお、揺れる欧州の行方についても非常に興味深い見解を得ましたが、これは別の機会に紹介します)。

日本研究の第一人者
~日本に学ぶべき点は多い

クリスチャン・ソテール氏(写真右)と筆者。本文で紹介した他にも同氏の日本関係の著書としては、「Japon : le prix de la puissance」(日本――その経済力は本物か、1973年)、「Les dents du géant」(孤独な巨人ニッポン――欧州がとらえた日本経済の死角、1988年)、「L'Etat et l'individu au Japon」(日本における国家と個人:樋口陽一氏との共著、1990年)などがある

 クリスチャン・ソテール氏は、シラク大統領時代のジョスパン内閣で、1997年から2001年にかけ、財務担当副大臣、そして経済・財政・産業大臣を歴任した経済通です。さらに日本研究の第一人者としても知られ、たとえば1976年には、EHESS日本研究所を創立。社会科学分野において世界的に評価の高い学者を多く輩出するフランス国立社会科学高等研究院(EHESS)における日本研究の体制を整えました。

 日本研究の著書も多数あり、なかでも僕が個人的に好きな一冊に、日本がバブル崩壊後の失われた10年に苦しんでした1996年発刊の「La France au miroir du Japon : Croissance ou déclin(フランスは日本の鏡:成長か衰退か)」があります。

 これは、グローバル化する資本、オートメーション化する生産現場、拡がる情報ネットワーク革命、台頭する新興国などの潮流により、停滞する経済と深刻化する社会問題を抱える先進諸国…こうした中、唯一日本は、失業も含め社会問題にうまく対応しており、フランスは、その背後にある日本の社会経済モデルに学ぶべき点が多いと解説するものです。

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永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]

フランスを拠点に、フォーチュン・グローバル500企業をはじめ数多くの欧州企業(一部アジア系企業)に対し、国際経営・事業・組織コンサルティングをおこなう。特に、「アジア・欧州・アフリカ市場への事業進出と拡大」「海外子会社の変革マネジメント」「人と組織のグローバル化」の3領域における戦略構築から実行支援が専門。日本経済新聞レギュラーコラムニスト(ネット版07-10年)、講演・出稿記事多数、リヨン第一大学客員講師(98‐00年)。1960年生まれ。西南学院大学(文学部)卒業後、82年JTBに入社、本社及び海外事業部門のマネジャーを経て、96年フランスに拠点を移す。MBA(EMリヨン)を取得後、リヨン商工会議所(アジア担当マネジャー)、仏系中堅医療機器メーカー(COO~企業再生ミッション)、欧州系調査コンサルティング会社を経て2003年より現職。
オフィシャルサイト:http://www.kimihikonagata.com


永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

「グローバル社会で起きる諸問題や変革のうねりに対し、日本人、日本人社会、日本企業や日本の政治はどうあるべきか」…国際派コンサルタントとして、日本の外から世界各地と日本を大局的に見つめる筆者が提言します。

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