自治体が「中高年引きこもり」を含む地域の孤立者たちとつながるようになった成果とは?座間市就労準備支援事業「はたらっく・ざま」の事務所にて、同市の自立サポート担当者 (中2人)と就労準備支援員(右)、社会福祉法人の担当者(左 )

制度の狭間でもがく人たちを救え
座間市の「断らない相談支援」

 自治体が「中高年引きこもり層」も含めた生活困窮者自立支援制度の事業に取り組むようになって、これまで見えなかった地域の孤立者たちにつながり、アプローチできるようになった――。そんな神奈川県座間市の「断らない相談支援」の取り組みが注目されている。

 同市は、神奈川県中部に位置する人口約13万人のベッドタウンだ。この典型的な住宅都市である同市生活援護課の自立支援事業が、選択肢を示せるようになったことで、これまで置き去りにされてきた当事者への支援につながり、これからの自治体の取り組みとして期待されている。

 同課で自立サポートを担当する林星一・主任相談支援員は、これまで生活保護のケースワーカーを9年ほど続けてきた。

 そんな中で実感してきたのは、これまで中高年の引きこもる人たちなどが、制度的な支援対象者にされてこなかったことだ。しかも、生活保護になって初めて世帯の状況がわかることが多かった。

 また、これまでは制度の枠組みに入らない課題だったため、連携する社会資源がなければ、たとえ気づきがあっても「家庭の問題」とされ、対処のしようがなく埋め戻されている感じがあった。
 
 自治体の対応も、不登校から引きこもる層は教育関係、メンタルヘルスは精神保健、若年無業者は労働関係の部署がそれぞれ縦割りで担ってきたことから、福祉関係の対応窓口はどこにもない状態だった。

 しかし、新しくできた生活困窮者自立支援法は、「生活困窮の恐れのある人」も対象にしていて、支援対象を厳密に言及していない。つまりこの制度は、実践現場の裁量に任されることによって、制度の狭間に対応しているところに大きな特徴がある。