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安東泰志の真・金融立国論

会社法制の見直しで
ガバナンスは強化されるか
経団連が頑強に抵抗を続ける理由

安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]
【第18回】 2012年2月8日
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 コーポレートガバナンスについては、その定義、制度、論点などについて、連載第15回で包括的に解説したが、その後の昨年12月7日に、法務大臣の諮問機関である法制審議会・会社法制部会が「会社法制の見直しに関する中間試案」(以下「試案」)を公表した。この試案を基に、早ければ今年中にも、会社法の一部改正が国会で審議される可能性がある。

 コーポレートガバナンスの強化については、以前から各方面で議論がなされていたとはいえ、やはり昨年の大王製紙・オリンパス問題を契機にして、本試案の提出が早まったと見て差し支えなかろう。そこで、今回は、その試案の主要なポイントを抽出し、果たしてそれが日本のコーポレートガバナンスの強化に役立つのかどうかについて、法学者ではなく、企業金融に携わる者としての見地から検討してみることにしたい。

 なお、連載第15回でも指摘したが、経済界、特に経団連は、社外取締役の義務化など、ガバナンス強化の制度化に従来から強硬に反対しており、その姿勢は大王製紙やオリンパスの問題が明るみに出てからも全く変っていない。皮肉なことだが、こうした抵抗勢力が抵抗を続ければ続けるほど、日本の病理が浮き彫りになってくるものである。

 民主党の「資本市場・企業統治改革ワーキングチーム」の座長である大久保勉参議院議員は、「経団連が嫌がることは経営者以外の人にとってよいことだとも考えられる」(1月16日付日本経済新聞)とコメントしているが、筆者も同感である。しかし、今回の試案は、こうした抵抗勢力の意見に抗うことができず、既に相当程度の譲歩をした案になっているという印象を受ける。今回の試案についてのコメントは以下の通りだが、本来であれば今回の試案の域に留まらず、もっと抜本的な変革が必要だというのが筆者の意見である。

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安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]

東京大学経済学部卒業、シカゴ大学経営大学院(MBA)修了。1981年に三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、1988年より、東京三菱銀行ロンドン支店にて、非日系企業ファイナンス担当ヘッド。90年代に英国ならびに欧州大陸の多数の私的整理・企業再生案件について、参加各行を代表するコーディネーターとして手がけ、英国中央銀行による「ロンドンアプローチ・ワーキンググループ」に邦銀唯一のメンバーとして招聘される。帰国後、企画部・投資銀行企画部等を経て、2002年フェニックス・キャピタル(現・ニューホライズンキャピタル)を創業し、代表取締役CEOに就任。創業以来、主として国内機関投資家の出資による8本の企業再生ファンド(総額約2500億円)を組成、市田・近商ストア・東急建設・世紀東急工業・三菱自動車工業・ゴールドパック・ティアック・ソキア・日立ハウステック・まぐまぐなど、約90社の再生と成長を手掛ける。事業再生実務家協会理事。著書に『V字回復を実現するハゲタカファンドの事業再生』(幻冬舎メディアコンサルティング 2014年)。
 


安東泰志の真・金融立国論

相次ぐ破綻企業への公的資金の投入、金融緩和や為替介入を巡る日銀・財務省の迷走、そして中身の薄い新金融立国論・・・。銀行や年金などに滞留するお金が“リスクマネー”として企業に行き渡らないという日本の問題の根幹から目をそむけた、現状維持路線はもはや破綻をきたしている。日本の成長のために必要な“真”の金融立国論を、第一線で活躍する投資ファンドの代表者が具体的な事例をもとに語る。

「安東泰志の真・金融立国論」

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