小池都知事が掲げる「国際金融都市」実現のため何をすべきか

早くも始動した
小池知事の金融プロモーション

 先月に続き、東京都が策定し、関係省庁や業界と協力して推進しようとしている「国際金融都市・東京」構想について解説する。11月中旬、小池知事は、シンガポールにて東京版ビッグバンを宣言し、東京都のプロモーションがいよいよスタートした。シンガポールに集まった世界の投資家の関心も、かなり高かったようだ。

 また、12月4日には、英国大使館にて、英国の金融街、シティ・オブ・ロンドンの長であるロードメイヤーと小池知事の間で、シティと東京都との協力に関する覚え書き(MOU)が締結された。その内容は、

・金融分野に関する会合、フォーラムおよび情報共有における両都市の連携
・教育分野における広範囲な共同プログラムの構築についての連携
・環境・社会・ガバナンス(ESG)投資及びグリーンファイナンスの発展及び推進における連携
・国際金融センターとして、プロモーション活動の推進における連携

 となっている。

 提携の目的としては、「2つの国際金融センターが共に発展、成長すること」と明記され、加えて、英国を拠点とした金融業及び関連する専門サービスの業界団体である TheCityUKが推進する、業界の専門家からなる日本市場アドバイザリーグループ(MAG)が、日本と英国とにおける金融業及び関連する専門サービスの協力関係を強化するプログラムを推進していくとされている。

 Brexitで揺れているとはいえ、まだ世界ナンバー1の国際金融センターの地位を守っているシティから東京都が学ぶべき点は多い。

 具体的には、東京のプロモーション組織のあり方についての助言・協力や共同プロモーション、英国の一流大学による首都大学東京でのファイナンス講座の設置、ESGや環境債の分野でのノウハウ導入ほか、さまざまな協力が考えられよう。