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メディア激動時代を読む 山口一弥

真山仁氏と語るメディア論(2)
「日本でも米国のようなメディア再編は起きるのか」

山口一弥 [前コロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員]
【最終回】 2008年6月3日
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前回は、日本のメディアが置かれている現状、メディア企業のあり方を中心に考えたが、第2回の今回は主に欧米と日本のメディアの違いと、メディア企業の経営戦略の在り方の違いを比較し、その先に見えつつある我が国でのメディア再編の可能性を小説家・真山仁氏とともに考えてみたい。(聞き手:山口一弥)


山口 今回、新しい小説の取材でアメリカを訪れ、日本のメディア企業との最も大きな違いは何だと思われましたか。

真山氏
真山仁氏

真山 まず上場していることですね。これは、いつ買収されてもおかしくないというリスクがある反面、上場しているからこそ社会に対して責任があるという意識が、日本よりはるかに高いように思います。

 ロンドンでエコノミスト・ロンドンの編集長や元編集長に取材をした際、彼らは良いものを作ることが最終的に生き残ることだと言っていました。これは新聞にとって、今後のキーワードとなるかもしれません。エコノミスト・ロンドンの成功の理由のひとつは、地域別の編集をしなくなったことだそうです。つまり、各地域の広い読者層をターゲットにするのではなく、グローバルな情報を求めるコアなビジネスマンに対して、同誌ならではの切り口と情報を提供することで、差別化を図ったのです。

日本の新聞社は自分たちが
斜陽産業だと自覚していない

山口 経営には正解がありません。例えばエコノミスト・ロンドンの戦略があり、また、マードックのように企業買収を繰り返しながら拡大路線を進むという戦略があり、バイアコムのレッドストンのように会社をスピンアウトさせてでも生き残る会社を選ぶといった戦略もあります。いかにバランスを取っていくかということが、経営者に課せられた重要な役割ではないかと思うのですが。

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山口一弥 [前コロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員]

立教大学卒。広告会社を経て、新聞社勤務。新聞広告、インターネット広告等の営業を担当。2006年から2007年にかけてコロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員。


メディア激動時代を読む 山口一弥

インターネットは新聞・放送といった既存メディアの在り方をも変えつつある。メディアの世界で、今、何が起きようとしているのか、その最前線を追う。

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