日産とスバル、かつての「盟友」の分かれ道2018年2月の仏ルノー決算でのカルロス・ゴーン氏 Photo:AP/AFLO

日産とスバルは
30年以上に渡ってグループ関係にあった

 日産自動車とSUBARU(スバル)――。

 両社は、ともに昨年(2017年)秋に国内工場での完成車検査不正問題が露呈し、大量のリコールとその立て直しに追われた。奇しくもこの工場完成検査問題が起きたのは日産とスバルだけだったが、この両社は、2000年に資本提携を解消するまで30年以上に渡ってグループ関係にあった間柄なのである。

 その日産とスバルが今年3月に入り、新たな経営の方向づけについての発表を行った。

 日産は3月1日に、アライアンス連合先である仏ルノーとの機能統合を加速することを発表。これは従来のルノーとの車台やエンジンの共通化や購買調達機能の統合から大きく踏み込んで、研究開発、生産購買、品質&トータルカスタマーサティスファクション(TCS)、アフターセールス、事業開発を含む重点部門の機能統合に拡大することで、そのための複数のプロジェクトを開始するというもの。4月から三菱自動車工業も機能統合に加わる。

 この3社連合の機能統合の拡大は、日仏連合の「統合」への動きか、はたまた3社連合のトップに君臨するカルロス・ゴーン会長の「ポスト・ゴーン」を睨んだものなのかとの見方が浮上し、日産の今後の方向へ大きな関心が寄せられている。

 一方、スバルは3月2日、都内のホテルでトップ人事に関する発表記者会見を行った。スバルは6月の株主総会後の取締役会で吉永泰之社長の退任と、後任社長に中村知美専務執行役員が就任することを発表した。

 このスバルのトップ交代は、近年目覚ましい業績向上で存在感を強めてきたスバルが昨年秋の国内工場完成車検査問題でつまずき、さらに年末には燃費データ書き換えも発覚したことで経営陣の刷新に踏み切るもの。