ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
カイゼン!思考力

そうそう悪い人間はいない?――モラルハザード

嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]
【第86回】 2012年3月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

陥りがちな思考の罠に迫る「カイゼン!思考力」。今回は、「モラルハザード」を取り上げる。

――問題です

 以下のAさんの問題は何か。

 Aさんは中学校の新任教師。中高生時代は、「カンニングなんてしても結局は自分のためにならない。それは皆もわかるはずだ。したがって、この学校では試験監督は置かない。皆さんの良心に任せる」というポリシーの中高一貫校に通っていた。実際に同校ではカンニングをする学生はほぼ皆無であった。

 そうした母校の校風を理想とするAさんは、赴任した中学でも同じ方針をとろうと考え、1学期の中間試験ではあえて試験監督をしなかった。その結果――本来、Aさんが試験監督をする予定だったクラスで、似たような答案が頻出し、平均点が高くなるという現象が起きてしまった。明らかにカンニングが行われた形跡である。

 Aさんは、学年主任に厳しく問い詰められた。
「誰も見ていなかったら悪さをするに決まっているじゃないか」
「いや、僕の母校では…」
「君の母校は特別なんだよ。世の中が皆そうだとは思わない方がいい。これからはちゃんと試験の際には見回るようにしてくれ」
「……」

次のページ>> 解答はこちら
1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]

東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社、主に出版、カリキュラム設計、コンテンツ開発、ライセンシングなどを担当する。現在は出版、情報発信を担当。累計120万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」や、「グロービスの実感するMBAシリーズ」のプロデューサーも務める。
グロービス経営大学院や企業研修においてビジネスプラン、事業創造、管理会計、定量分析、経営戦略、マーケティングなどの講師も務める。また、オンライン経営情報誌 GLOBIS.JPなどで、さまざまな情報発信活動を行っている。


カイゼン!思考力

ビジネスパーソンが日常生活やビジネスの現場で陥りがちな思考の罠。そんな罠になぜ人ははまってしまうのか――。その謎と罠に陥らない方法に迫ります。

「カイゼン!思考力」

⇒バックナンバー一覧