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カイゼン!思考力

正論かもしれないが――べき論への執着

嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]
【第88回】 2012年3月16日
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陥りがちな思考の罠に迫る「カイゼン!思考力」。今回は、「べき論への執着」を取り上げる。

――問題です

 以下のA氏の問題は何か。

 時は2000年。全国にチェーン店を展開するZ社の中で、銀行ビジネスへの新規参入が検討されていた。

A「私は銀行ビジネスへの参入は反対だな」

B「なぜだい」

A「確かにうちは多店舗展開しているから、ATMなどを設置して顧客に利便性を提供することはできるかもしれない。プロモーションのやり方次第で預金を集めることも可能だろう。しかし、肝心の運用ノウハウがないんだから、銀行ビジネスで成功するとも思えない」

B「確かにうちに運用のノウハウ、つまり顧客開拓や与信などのノウハウはない。しかしそれは既存の銀行事業のやり方にとらわれ過ぎている。利ザヤで稼ぐのではなく、ATM利用の手数料を収益の柱にするという方法論だってあるはずだ。運用は委託するなり、別のやり方だってあるさ」

A「その考え方に一理あることは認める。しかし、そもそも経済における銀行の果たすべき役割は何かを考えれば、それは資金提供――特に法人顧客に対する資金提供による産業振興であり、信用創造だ。手数料で稼ぐというビジネスは、確かにあり得るが、銀行本来のあるべき姿からはかけ離れていると言わざるを得ない。わが社はビジネスの正道を歩んで成長してきたのだから、新規事業についても正道を歩むべきだ」

B「…」

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嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]

東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社、主に出版、カリキュラム設計、コンテンツ開発、ライセンシングなどを担当する。現在は出版、情報発信を担当。累計120万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」や、「グロービスの実感するMBAシリーズ」のプロデューサーも務める。
グロービス経営大学院や企業研修においてビジネスプラン、事業創造、管理会計、定量分析、経営戦略、マーケティングなどの講師も務める。また、オンライン経営情報誌 GLOBIS.JPなどで、さまざまな情報発信活動を行っている。


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ビジネスパーソンが日常生活やビジネスの現場で陥りがちな思考の罠。そんな罠になぜ人ははまってしまうのか――。その謎と罠に陥らない方法に迫ります。

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