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金融市場異論百出

政治統合機運で高まる独立志向
スコットランドを阻む大きな壁

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年3月7日
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 ロンドン・オリンピックは7月27日から始まる。先日、出張でロンドンに行ったが、開幕まであと5ヵ月というのに、街は全く盛り上がっていなかった。シティの金融街で聞くと、むしろ、観光客が増えて混雑する、道路が渋滞する、といったネガティブな要因を挙げる人が多かった。ただし彼らの場合、「オリンピックが楽しみだ、なんて言うのは恥ずかしい」という妙なプライドも感じられる。

 なお、公共交通機関の労働者も加盟している英国最大級の労働組合のトップは、オリンピック開催中にストライキを行うべきだと主張している。政府の社会保障費カット等に抗議するには、オリンピックを混乱させることが有効だ、という戦略らしい。しかし、それをやったら、さすがに一般市民からは「自分勝手だ」という批判が出てきそうだが。

 英国で最近話題になっているもう一つのテーマは、「スコットランド独立問題」である。昨年の議会選挙で、独立を掲げるスコットランド・ナショナル党が大勝利を収めた。スコットランド人には長年の思いがある。サモンド第一大臣は2014年に住民投票を行うことを提案している。

 今後のEUで欧州連邦制へ向けた政治統合が進み、超国家的機運が高まると、スコットランドに限らず、スペインなどでも、EUの枠内で独立したがる地域が増えてくる可能性はある。

 とはいえ、イングランド(ウェールズを含む)の人々はこの騒動に冷めている。現実には独立は難しい、と彼らは見ているようだ。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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