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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

「米国統合の象徴 オバマ大統領誕生へ」
国際政治学者・藤原帰一に聞く

週刊ダイヤモンド編集部
2008年5月26日
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バラク・オバマ大統領は誕生するのか。ヒラリー・クリントン上院議員の副大統領候補指名の可能性は? 国際政治学の第一人者に、米大統領選の行方とオバマ優勢の背景を聞いた。(「週刊ダイヤモンド」副編集長 遠藤典子)

H.Tsukada
国際政治学者・藤原帰一
藤原帰一(ふじわら きいち)
東京大学法学部法学政治学研究科教授。1956年生まれ。専門は国際政治、東南アジア政治。東京大学法学部卒業後、同大学院単位取得中退。その間に、フルブライト奨学生として、米国イェール大学大学院に留学。東京大学社会科学研究所助教授などを経て、99年より現職。著書に『平和のリアリズム』(岩波書店、2005年石橋湛山賞受賞)など。

――オバマ氏の勝利は確定したか。

 オバマ氏が獲得した代議員数は、特別代議員と一般代議員を合わせて、2025の過半数に届かなかった。しかも、有効得票数では、予備選の前倒し実施で代議員ゼロの制裁を受けたフロリダ、ミシガン両州までを含めれば、クリントン氏のほうがわずかに上回っている。まさに薄氷の差ではあるが、それでもオバマ氏勝利は確定したと考えていいだろう。この1週間で30人以上の特別代議員がオバマ氏支持に回った。この流れはもはや変えようがない。すでにオバマ氏は、共和党候補のマケイン氏を意識した発言に終始している。

 クリントン氏はまだ負けは決まっていないと言い続けることはできる。6月3日にサウスダコタなど3州で予定されている予備選まで戦うことになるかもしれない。しかし、大勢に影響はない。

――クリントン氏は副大統領を狙うのか。

 オバマ氏が進んで指名するとは考えにくいが、クリントン副大統領が生まれる可能性は2つある。1つは民主党幹部、古株の政治家が、党の統一のためにオバマ氏に要求する場合だ。オバマ氏ならば投票しないというクリントン氏支援者、クリントン氏ならば投票しないというオバマ氏支援者の2つに党が分断されているからだ。

 もう1つは党大会の泥仕合にもつれ込んだ場合だ。代議員は大統領と副大統領の両方に投票できる。クリントン氏陣営が、せめて副大統領はわれわれに投票するよう働きかける可能性がある。そうなれば、オバマ氏にはその意思がないのに、クリントン氏を副大統領候補として、押し付けられるというシナリオが残っている。

 民主党としてみれば、これまでにない2人の有力候補を持つ、有利な選挙戦となるはずだ。だが、カーター氏とエドワード・ケネディ氏が争ったすえに、レーガン共和党政権が誕生したように、仲間割れで自滅する歴史を重ねている。クリントン氏を下ろせないという状況で、内紛が拡大することへの懸念が広がっている。

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