災害時に子どもの「遊び場」というと、贅沢な部類の話で、後回しにすることだと普通は思いますよね。でも、東日本大震災や熊本地震の教訓として、子どもの遊び場の確保の重要性が認識されるようになっています。なぜ認識されるようになったのかについて、アウトドア流防災ガイド・あんどうりすさんが解説します。
今回は、避難所に子どもたちの遊び場をという話題です。2016年4月14日21時26分に発生した熊本地震から、2年が経ちました。いまだに不自由な生活のままの方もいて、様々な課題も未解決のままです。今年4月9日には島根県西部で震度5強も地震も発生しました。
そんな中、この話題は「遊び」とあるので、重要な問題ではないかのように思われるかもしれません。「遊び」というと、贅沢な部類の話で、災害時は後回しにすることだと普通は思いますよね。でも、東日本大震災や熊本地震の教訓として、子どもの遊び場の確保の重要性が認識されるようになっています。それは、なぜなのか、みなさんと共有できればと思います。
ところで現在、「子どもの遊び場」について言及している自治体の避難所マニュアルはまだ少数なのです。みなさまのお住いの場所はどうでしょう?まずは、先進的な「子どもの遊び場」が入っている避難所運営マニュアルをご紹介します。
“「子ども達の遊び場や学習の機会を、学校運営に支障がない範囲で、施設管理者と事前調整のうえ、教員・用務・給食調理・栄養士・事務・学校司書等の教職員等や地域と協力し提供する」 ~東京都狛江市の「避難所運営基本マニュアル」p26より”
とあります。勉強が遅れると大変なので「学習の機会」の確保を大人が配慮してくれることはありますが、「子ども達の遊び場」が明記されているものは少ないのです。そんな中、狛江市にはちゃんと入っています!
また、今年3月に発行されたばかりの 東京くらし防災にも子どもの遊び場について記載がありますね。
埼玉県富士見市のマニュアルには、なぜ、「子どもの遊び場」が必要なのかもわかるように記載されています。
“「東日本大震災においては、子どもの遊ぶ空間がないことから来る、子どものストレスが問題になったことがあり、その空間の確保が必要です」
~出典:埼玉県富士見市「避難所運営マニュアル」より”
と、あります。わかりやすいですね!