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次世代に引き継ぐ大震災の教訓

スマートグリッド拡大で蓄電池産業が開花する
「電力サービス市場」の誕生がトリガーに

大山 聡 [アイサプライ・ジャパン 主席アナリスト]
【第22回】 2012年4月12日
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震災で認知された「スマートグリッド」

おおやま・さとる/1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマンブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年より現職で、主に二次電池市場の調査・分析を担当。

 「スマートグリッド」

 直訳すれば「賢い電力網」だ。もともとは米国で提唱された概念である。2001年のエンロン社破綻、03年の大規模停電など、電力インフラの見直しが必要となる事件が相次いだ米国では、信頼性の高い電力インフラを目指す動きに最先端のIT技術を加えようとする試みが加わり、スマートグリッドの概念の形成につながった。

 「賢い電力網」の概念は、電力網が複数国にまたがる欧州、慢性的な電力不足で電力網の強化を急ぐ新興諸国でも、その必要性、重要性が認識されている。

 日本の電力網は「世界で最も堅牢で安定している」と評されていた。海外と比較して電力供給が安定していた日本では、「スマートグリッド」に対する意識は希薄だった。しかし、昨年の東日本大震災をきっかけに、日本も他の国々と同様に「電力供給」の不安定さを知ることとなり、スマートグリッドに対する注目度が急速に高まった。

 「スマートグリッド」に具体的な定義は存在せず、電力網のどこからどこまでを「スマートグリッド」と言うのか、といった明確な記述もない。従って市場規模や市場成長率を語ろうとしても、定義がハッキリしないので数字で説明しにくいのが実情である。

スマートグリッドを構成する4要素

 ただし概念としては、電力供給を安定させるための機能が必要だとか、CO2削減など環境への配慮が不可欠だとか、いくつかの満たすべき要素がある。以下に挙げる4つは米国エネルギー省や日本の経産省などで提唱される「スマートグリッド」の最低限の要素であり、“スマート”と呼ぶ所以でもある。

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東日本大震災から1年。首都直下型地震をはじめ次なる巨大地震の可能性も示唆され、国民に不安が広がるなか、我々現役世代は何を為すべきか。それは東日本大震災から得た教訓を、次世代へと確実に引き継ぎ、活かすことではないだろうか。そしてその役割はこの1年間、着実に果たされてきたと言えるのか。各分野の専門家へのインタビューと現地取材を交えたレポートで検証する。

「次世代に引き継ぐ大震災の教訓」

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