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「非・被災地」は何を学ぶのか――「東北」から未来をつくる起業家を追う
【第5回】 2011年10月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
加藤徹生 [社団法人wia代表理事]

【最終回】
世界最大の「被援助国」ニッポン
社会を「再定義」する機会としての震災復興

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 これまでの記事では、東北を中心に復興を目指して国内で活動するリーダーを中心に追ってきた。今回の記事では、米国から日本を支援したいという日系アメリカ人の問いかけをヒントに、世界から寄せられている支援の申し出に「東北」、そして日本がどう応えていくべきなのか、考えていこう。グローバル化する社会の中で、世界最大の被援助国の一つとなった日本は、震災を契機にどのように変わっていく必要があるのだろうか。

東北を訪れた日系アメリカ人

「私たちに何ができると思う? あなたの意見をもっと聞かせてほしい」

訪れた宮城県牡鹿郡女川町で、被害の規模に唖然とする日系アメリカ人の姿。

 これは、東北の地を訪れた日系アメリカ人が震災復興に奔走するリーダーに尋ねた言葉だ。

 ちょうど1か月前の9月8日。人命救助やライフラインの復旧が一息つき、被災者の仮設住宅への入居が本格化する頃、アメリカ在住の日系アメリカ人の一団が、東北の地を訪れた。ハワイ、シアトルなど、日系アメリカ人の多い西海岸から東京に集った一行は、そこから新幹線で仙台へ、そしてレンタカーに揺られながら現地に向かった。

 「信じられない、想像以上だ……」

 各国から、東日本大震災における救助・復興に支援が寄せられ続けたが、その中でも、日系アメリカ人は熱心に支援を続け、現地まで足を運び、「何ができるのか?」と問いを重ねた。

なぜ対話はすれ違ったのか?

 僕も日系人の東北訪問に同行し、多くの会合に出席したが、いずれも実りが多かった。訪れた日系人の多くは、渡辺一馬崔炳康のように震災を機に新しい挑戦が生まれようとしていることに驚嘆を示し、自分たちも貢献していきたい、という言葉をかけてくれた。

 だが、僕の評価としては、続々と寄せられる国際社会からの支援の声に応えていくことを考えると、多くの課題が残ったと感じている。

 時間や通訳を挟んでの会話ということもあり、日系アメリカ人に「どういう支援を求めているのか?」と聞かれると、リーダたちは率直に「資金と人材に困っている」と答えてしまった。これ自体はミスコミュニケーションではないのだけれど、短期的に「支援する、される」という関係ではなくて、その先に何が一緒にできるのか、という展望を示すことができず終わってしまった。

 これは、日系アメリカ人と対話したリーダーたちの普段の立ち振る舞いから考えると、おそらくは、欧米の寄付市場特有の文脈に慣れていないことが大きな要因ではないだろうか。

 今後の対話のあり方を探る上でも、まず、欧米のフィランソロピー(慈善活動)の文脈を踏まえておこう。

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加藤徹生 [社団法人wia代表理事]

社団法人wia代表理事/経営コンサルタント。
大学卒業と同時に経営コンサルタントとして独立。以来、社会起業家の育成や支援を中心に活動する。 2009年、国内だけの活動に限界を感じ、アジア各国を旅し始める。その旅の途中、カンボジアの草の根NGO、SWDCと出会い、代表チャンタ・ヌグワンの「あきらめの悪さ」に圧倒され、事業の支援を買って出る。この経験を通して、最も厳しい環境に置かれた「問題の当事者」こそが世界を変えるようなイノベーションを生み出す原動力となっているのではないか、という着想を得、『辺境から世界を変える』を上梓。
2011年6月末より、東北の復興支援に参画。社会起業家のためのクラウドファンディングを事業とする社団法人wiaを、『辺境から世界を変える』監修者の井上氏らとともに9月に立ち上げた。
twitter : @tetsuo_kato


「非・被災地」は何を学ぶのか――「東北」から未来をつくる起業家を追う

  東日本を襲った大震災から7か月。多くの避難所は閉鎖され、被災地には仮設住宅が立ち並ぶ。一方東京では、震災などなかったかのような空気が流れ、今も福島を蝕む放射能すら、忘れられてしまったかのようだ。
  だがまさにいま東北では、「新しい未来」をつくろうと動き始めた起業家たちが生まれている。本連載では、彼らの足跡を追い、その構想を見ていく。岐路に立つ日本にあって、いち早く「変わっていくこと」を突きつけられた被災地から、「非・被災地」にいる我々はいったい何を学べるのだろうか。

「「非・被災地」は何を学ぶのか――「東北」から未来をつくる起業家を追う」

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