「スバル」は、これから個性派プレミアム路線を突き進む!?スポーツカー「BRZ」「ハチロク」の人気が教えてくれること

【第1回】2012年4月16日公開(2012年4月19日更新)
ワタナベくん

「サンバー」から「BRZ」へ

 さて、富士重工は「BRZ」を売り出す一方で、「サンバー」という軽トラックの生産を中止しました。何を隠そう「BRZ」を製造しているのは、この「サンバー」の生産ラインだったのです。

惜しまれつつも生産中止となった「SUBARU サンバー」。最後は大量の駆け込み受注で生産ラインがフル稼働だった。今後はダイハツからのOEM車が「サンバー」の車名で売られる。(イラストは筆者)

「サンバー」は1961年から富士重工が作ってきた名車です。ほかの軽トラはエンジンが運転席の下にあって前のタイヤに動力を伝えますが、サンバーのそれは荷台後ろの下にあって後のタイヤに動力を伝えます。そのため、荷台が空の時にも安定感が抜群で、重い荷物を積んでもぐんぐん走ります。この「リアエンジン・リアドライブ」という駆動方式はポルシェと同じことから、サンバーは「農道のポルシェ」とまで言われていました。

 特に運送や農林水産業の人たちからは絶大な支持があって「軽トラはサンバーじゃなきゃダメだ」という人もたくさん居たのです。生産中止が決まると大量の駆け込み注文がきて、生産ラインは最後の最後までフル稼働だったそうです。

 それでも生産中止になってしまったのは、富士重工トヨタ・グループの中で個性的なプレミアム路線のクルマを作る役割になったからだと思います。軽自動車はダイハツが作り、万人受けする自家用車はトヨタが作ります優雅に走りたいお金持ち向けにはレクサスがあります。そんな中で富士重工は、走りの付加価値にこだわった、ツウ好みのクルマ作りをしていくのだと思います。

 富士重工には「四輪駆動」で世界に冠たる技術があり、「水平対向エンジン」というポルシェと富士重工だけが手掛ける特別なエンジンもあります。未舗装路や雪道を走るラリーにめっぽう強く、世界中に熱いファンがたくさんいます。サンバーの生産中止は非常に惜しいのですが、軽自動車に充てられていた開発リソースが、こうしたこだわりの技術を磨き上げることに向けられることで、今後ますますツウを魅了する超個性的なクルマが続々登場する可能性があります。これは、めちゃくちゃ期待してしまいます!

 がんばれ、富士重工!

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