2009年12月9日(水)、師走の六本木で衝撃が走った。スズキとフォルクスワーゲン(以下VW)の資本提携に関する記者会見だ。

 生産台数ベースでトヨタ自動車、ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて世界ナンバーワンになることが確実視されている自動車企業連合の誕生に、国内外のメディアが沸き立った。

12月9日、資本提携を発表したフォルクスワーゲン(VW)のマルティン・ヴィンターコルンCEOとスズキの鈴木修会長。VWは2010年1月に2224億円でスズキ株19.9%を取得し、スズキの筆頭株主となる。Photo by AP Images

 会見の主役は、自称「俺は中小企業のオヤジ」ことスズキ株式会社の会長兼社長、鈴木修氏(78歳)。自分から見れば孫のような記者たちの質問を、いつもの「オサム節」でいなした。

 会見では、両社が互いに購入する株式数など新たに公表されたニュースはあったものの、製造業としての将来構想、市場戦略や新技術戦略については特に目新しい話はなかった。それどころか、両社の世界市場での商品動向を現地にて定常的に見ている筆者にとっては、「それが本意か?」と首をかしげたくなるような発言も少なくなかった。

 会見後の各メディアの報道を見ると、以下2点を強調する記事が目立った。

①(市場戦略上の狙いは)VWの中国、スズキのインドでの優位性の共有にある。

②(技術開発上の狙いは)スズキがトヨタなどに対して出遅れているハイブリッド車といった次世代車技術をVWから学ぶこと。

 では、この2点について、筆者なりの見解を述べたい。